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一橋フォーラム21
- 2014/07/10(Thu) -
一橋フォーラム21 『渋沢栄一と如水会⑤』(2014年7月10日受講)

台風接近中ではございますが、
橘川武郎先生の講義とあっては、休むわけには行きません。
しかもシリーズ最終回ですし。
今年は、先生の講義著作に触れる機会が増えています。

大きな経済史の流れの中で、渋沢の果たした役割や
今の時代において渋沢の主張に学ぶべきところについて、最終回らしく総括的な内容でした。

「論語とそろばん」ということに心惹かれる人は、
得てして「論語」の方に軸足を置いた価値観で物語る傾向がありますが、
そろばん勘定も同じく大事な要素であり、
安定した経済・経営なくして、健全な社会なしということだと思います。

東大出身の橘川先生のお話の中で、
東大と一橋の風土の違いに触れていましたが、
確かに、一橋の卒業生は、愛校心というか、大学への感謝の気持ちが強いように思います。

以前、上司だった東大卒の人に「卒業してから大学なんて行ったことがない、OB会にも興味はない。
あなたはときどき大学関連の行事に参加してるけど変わってるねぇ。」
と驚かれた(むしろ呆れられた?)ことがありましたが、
「久々に学校そばの飲み屋に行こうか」とか「学校の合宿所に集合!」なーんて話は
同級生の間でちょいちょい出るので、卒業してからも大学(友達関係も含め大学時代の生活)との
距離感が非常に近い学校なのだと思います。

なので、OB会の組織率も他の学校に比べて多分高いと思いますし、
大学やOB会への寄付も多いのではないかと思います。

そして、この、愛校精神、感謝の気持ちというのは、
渋沢栄一の影響が非常に大きいのだろうなと、このシリーズを聴講して実感しました。

入学してから申酉事件の話などを折に触れて聞かされ、
大学の歴史や、商業教育が味わった苦闘を、学生の頃から意識するようになります。
渋沢が守り育てた商業教育を、自分たちが受けることができたのは先輩のおかげであり、
同じように自分たちも後輩に受け継いでいかなければいけない。
だから先輩・同期・後輩といったヒトの繋がりを大切にするし、
小さい学校だから組織として団結するし、またその団結を自分のために活用するし、
カネが必要なこともカネが大きな馬力を生むことも分かるからたくさん寄付する。
お互いがお互いを活用し合い、学び合い、育て合う。

今まではっきりとは意識していなかったのですが、
これは渋沢イズムが学校の歴史の中に根付いているということなのだろうなと思いました。

高校生の頃、父親から、「おまえが行きたい大学に行けばいい。
ただし、大学時代の人間関係は一生続くし、一番重要なものだから、しっかりと学校を選びなさい」
と言われました。本当に、ありがたい言葉だったと今になって思います。


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一橋フォーラム21
- 2014/06/25(Wed) -
一橋フォーラム21 『渋沢栄一と如水会③』(2014年6月25日受講)

シリーズ第3回目は、一橋大学院の田中一弘教授による
「道徳経済合一説から読み解く渋沢栄一と一橋、如水会」です。

内容に入る前に・・・・、田中先生の講義は初めて受けたのですが、
この講義の目的は何か、つまり語りたいことは何かが明確に伝わってきて、
また、「渋沢の思いを伝えたい!」という熱い気持ちも伝わってくる90分でした。
さらに、時代の流れや時局における講義のテーマの持つ意味や、
聴衆のニーズ、聴衆と講演者の関係など、様々な要素を加味して、
場に合ったストーリー展開を用意されていたので、聞いているこちらも身を乗り出したくなる程
惹き込まれるお話しぶりでした。

さて、道徳経済合一説ですが、
このシリーズを聴講するまで、きちんと認識していない言葉でした。
その本質について、

  道徳なくして経済なし
  経済なくして道徳なし


この2つの言葉で解説されたことに、ナルホド!
イメージがしっくりときました。

講義の中で多くの渋沢自身の言葉が紹介されましたが、
卒業生や在校生に向けての数々の熱いメッセージ、
時には激励、時には戒め、その内容の多角性と眼差しの温かさに
本当に素晴らしい人物に、この学校は育てられたのだと再認識しました。

そして、学ぶだけ、認識するだけではなく、
それを実生活、仕事において実践してこその学問ですから、
もう一度、自分の日々の姿勢を正そうと、思いを新たにしました。


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一橋フォーラム21
- 2014/06/16(Mon) -
一橋フォーラム21 『渋沢栄一と如水会②』(2014年6月16日受講)

第86期は渋沢栄一をテーマにした5回シリーズです。
初回は仕事でいけなかったので、第2回から参加です。

文京学院大学の島田昌和教授による「渋沢栄一の合本キャピタリズムと人材育成」ということで、
実業家としての姿を学びました。

確かに、小説は青年期を扱ったものが多く
また名言録などは老年期の言葉を集大成とし扱っているようです。

しかし、近代日本という国が成立する過程において、
実業家としての渋沢栄一の活躍なしには語れないわけでして、
その実業哲学を知ることは、商科大学の卒業生として、ビジネスマンとして、
非常に大事なことだと思います。

「合本主義」「人材育成」「資金調達法」「ビジネス手法」という4つの軸で
整理された講義だったのですが、ドラッカーが「人的能力至上主義」と評価した人材活用術と、
単に部下に期待を寄せ見守るだけはなく、ビジネスリスクを極小化するべく
会社組織の選択肢を幅広に持ったり、育った人材の次のステップを周到に用意したりという
冷静な判断が印象に残りました。

本学卒業生に贈ったという
「浮薄な人間になるな」「狡猾な人間になるな」という戒めは、
今こそ自覚しなければいけない言葉ですね。


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開放講座
- 2014/04/17(Thu) -
一橋大学開放講座 『日本的雇用の福音と桎梏』

久々の開放講座は、日本型雇用に関して、
肯定派と懐疑派によるポジショントークという、企画色の強いものでした。

残念ながら、定時ダッシュしても前半には間に合わず、
神林龍先生の肯定派のプレゼンはほとんど聞けなかったのですが、
後半のリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長のプレゼンと
お二人によるディスカッションを聞いてきました。

大久保所長のプレゼンでは、日本型雇用慣習において
現在顕在化している10の問題を挙げて、制度改善の必要性を訴えます。

ま、リクルート的には、制度改善でお金を稼ぐ会社ですから、
アレが問題、コレが問題と言う主張になるでしょうが、
ディスカッションを聞いていると、雇用制度だけを取り出して議論しても
あまり意味がないのではないかという感想に至りました。

いわゆる日本型雇用がバッチリとはまる業態であったり、企業風土であったり、
社会環境であったり、タイミングであったりがあって、
「これが正解!」というものは無いのだと思います。

結局、常に、自分たちの強みと、ポジションと、外部環境の状況を把握しながら、
最適解を求めていくしかないわけでありまして・・・・・。

なので、大切な視点は、「人事制度は常に最適に向けて改善すべし、既存制度を是とするな」
という心構えを持つこと、および常に考えて行動することなのかなと。

だって、当社は、
今日のプレゼンで挙げられた日本型雇用慣行の10の問題点のほとんどが当てはまらないけど、
決して人材活用が上手くできているとは思えないんですもの(苦笑)。

明日から、もう一度、我が社の人事制度のあるべき姿を
きちんと考えていく姿勢に反映させないといけないですね。


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一橋大学・RIETI資源エネルギー政策サロン第1回
- 2014/03/10(Mon) -
一橋大学・RIETI資源エネルギー政策サロン第1回
 『新たなエネルギー基本計画の強力な実行と将来展望』

商学研究科の橘川武郎教授が進める「一橋大学資源エネルギー政策プロジェクト」が
研究成果を発表する機会として企画した政策サロンの第1回。
3.11から3年を前にして、原子力発電も含めたエネルギー政策についてお話を聞いてきました。

昨年は、国立キャンパスでシンポジウムをやっていたのですが、残念ながら聞きに行けず。
今回は都心での開催だったので、仕事終わりに急行しました。

原子力発電に関する世論調査などは、どうしても、
「原発稼動再開の是非」というような超短期的な視野のものと、
「2030年に原発ゼロ!」というような今と連続性の欠けたものと、
両極端な発言ばかりがノイズ的に耳に届いてくるのですが、
「リアルでポジティブなエネルギー政策」に触れることができ、なんだか安心しました。
だって、30代の私にとっては、これからの50年間の生活がかかってますから。
代替策のないスローガン的な「脱原発!」の声にはウンザリです。

上田隆之・資源エネルギー庁長官による、エネルギー政策の方向性の説明があり、
基本的なエネルギー政策を押さえるには分かりやすい内容でした。
その後、東大の田中伸男教授、東工大の柏木孝夫教授、そして橘川教授との
パネルディスカッションがありましたが、
30分弱のディスカッションでは、それぞれが言いたいことを述べて終わりとなってしまい、
これはかなり消化不良感が残りました。
残念。

橘川先生率いる政策プロジェクトが発刊した
『エネルギー新時代におけるベストミックスのあり方』をいただけたので、
詳しくはこちらで勉強しようと思います。


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一橋フォーラム21
- 2013/10/30(Wed) -
一橋フォーラム21 『現代社会と教養』(2013年10月30日受講)

今回のシリーズに申し込んだのは、
講師に村上陽一郎先生のお名前を発見したから。
というわけで、本日は、東洋英和女学院大学学長の村上陽一郎先生の講義です。

学生時代、東海村でJCOの臨界事故が発生し、大きなニュースとなりました。
「柄杓とバケツを使ってウラン化合物の水溶液を移動する」という手順に、
それが正式なものではなく裏マニュアルだという事実以上に、
「核燃料って柄杓とバケツで運べるんだー!」と大きな衝撃を受けました。

で、しばらくしてから本屋にJCO臨界事故関連の書籍が多数並ぶ中、
『安全学』というタイトルに惹かれ、たまたま手に取ったのが先生の著作でした。

「フェイルセーフ」「フールプルーフ」というような、産業界における安全管理の
基本的な考え方を学べるとともに、
「リスク低減と所要コストの費用対効果」というような経済合理性での考え方や、
「個人責任を追及し、最後は怠惰など道徳的な悪として済ませてしまう」という
日本の非建設的な原因追及の姿勢など、様々な観点を手に入れられました。

この『安全学』の考え方は、臨界事故のような社会的に大きな影響を与える事故だけでなく、
自分の勤め先での「事故トラブルの再発防止」「ミスの未然防止」というような
日常的な課題認識にも適応できる、非常に間口の広い、優れた観点だと思っています。

というわけで、何度か読み返してきた『安全学』の著者の講義です。

シリーズのテーマが「リベラルアーツ」ということで、
『安全学』の話は出てきませんでしたが、
「専門バカになるのではなく、多角的かつ包括的な視野を持て」ということと解釈すると
そのような複合的な視点の先にあるのが、『安全学』のような考え方ではないかと
思い至りました。

多角的な視点からの考察により、本当に意味があり、
みんなの役に立つ方針を決め、行動をとるには、どうしたらよいか。
その基礎に、「リベラルアーツ」の考え、その習得過程で身に付けられる思考様式の
ようなものがあるのではないかと感じました。


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一橋フォーラム21
- 2013/10/17(Thu) -
一橋フォーラム21 『知と癒しの匠を創造する』(2013年10月16日受講)

今回のフォーラムは、仕事で2連続欠席。
3回目の今日、ようやく出席できました。

東京医科歯科大学の大山喬史学長による講義です。
ご専門は義歯(入れ歯)だそうですが、
学長としての立場で学生に語られているのは、なんと『論語』とのこと。

思わぬ組み合わせと思ったのですが、
「医は仁術」とも言いますし、人間的に信頼できない医師に診てもらったら
どんなに技術が優れていようと、治るものも治らない気がします。

こうして、医師としての心得を、
『論語』の教えを用いて説いていくのですが、ウィットに富んだ語り口に、
ユーモアセンスも治療には大きく寄与するんだろうなと感じました。

また、今回は科学者であり医学者である先生が『論語』を語るということで、
いわゆる「文系」と「理系」の壁を越え、融合させるような感覚を味わえました。
私個人としては、文系/理系という線引きはナンセンスだと思っているのですが、
まさに複合知が人間の魅力なり存在価値を高めるんだなと実感しました。

今回、伊豆大島で大きな台風の被害が出ていますが、
気象予報などの自然科学の力と、町政・自治体運営といった社会科学の力が
まだまだ融合できていなくて、被害の拡大を生んだ面もあるのだろうなと感じました。
それは、行政組織だけでなく、町内会組織や家族という組織、そして個々人の判断力といった
それぞれのレベルでも言えることなのですが。

自然科学の知識の啓蒙や教育、
お上の指示だけに依存しない判断力の向上、
一方で、行政組織の役割を徹底させる働きかけの強化など、
いろいろ考えさせられた一日でした。


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一橋フォーラム21
- 2013/07/24(Wed) -
一橋フォーラム21 『イスラエル建国とイスラーム統治下ユダヤ社会の変貌』(2013年7月23日受講)

最終回はユダヤ社会のお話です。
こちらも、ニュースに出てはくるものの、良く理解できていないジャンルです(苦笑)。

東大の市川博教授に、19世紀に始まったイスラエルへの帰還運動あたりから
どんな動きがあったのかを順に解説していただきました。

非常にシンプルに説明してもらえたことで、
ようやくイスラエルの歴史がストンと頭の中に落ちてきました。
なぜ周辺アラブ諸国と揉めているのかも含め。

イスラエル建国においては、イギリスが主要な役割(というか愚かな対応)を
果たしていることが分かった一方で、
アメリカ在住のユダヤ人社会が、イスラエルへの帰還を求める動きに反対したりと、
各国におけるユダヤ人社会の勢力の問題もあり、
ユダヤ人社会の中でも複雑なことも分かりました。

アラブの地に帰還してきて、イスラエルという国を建てたユダヤ人ですが、
誰が正しく、誰が間違っているかということではなく、
「教育」の度合いの差が、力関係やその後の歴史を決めてしまうということが
良く分かりました。

今回の参議院選挙に限らず、日本の各選挙の結果を見ていると、
民主主義は、教育という土台がしっかりしていなければ、無力どころかマイナスだと
思うようになりました。
バカな群衆の民主主義より、一人の賢人の独裁政治の方が
上手くいくこともあるんだろうなぁ・・・・・と。

話が横にそれましたが(苦笑)、
イスラエルを巡る紛争という複雑かつ日本人から距離感のあるテーマを
非常に分かりやすく勉強することができ、良い講義でした。


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平成卒業生のための特別講演会
- 2013/07/16(Tue) -
平成卒業生のための特別講演会 『国々は国境なき時代をどう共有するか』

浜矩子先生の講演、本番でございます。

いきなりアベノミクスの話に行くのではなく、
通貨戦争・通商戦争が引き起こされる現在の環境の話から始まったので、
理解がしやすかったです。

そして、浜先生がマスコミにもてはやされる理由が分かりました。
理路整然と話しながら、ところどころに挟まれる比喩やモノゴトの定義が
非常にキャッチーなんですよね。
頭に残り、なおかつ、それを講演の中で何度も参照するので、
経済素人でも理解したような気持ちになれます。
(正しい分析との印象を受けるのですが、何分、私、素人なので「気持ちになる」が正確かと)

現状分析に関しては、非常に分かりやすかったのです。
また、聴衆が本学OBばかりということもあるせいか、
皮肉の利いたジョークはあったものの、センセーショナルな表現は控えめであり、
冷静な分析のように感じました。

ただ、対策として出てきた内容が、やや理想論的過ぎる気がしました。
国家間の競争が行われている中で「奪い合い」から「分かち合い」への切り替えというのは、
そうそう簡単にできるわけではありませんし、また1国だけが実践しても詮無きことです。
現状には冷徹な表現で評価を下す割には、将来展望がファンタジーな印象を受けました。

あと、著作が物足りないように感じたのは、
やはり口述筆記で本を作っているからなのかな?と思いました。
正直、本日の講演を聞いて興味を持った人が直近の著作を読むと、
あまり内容に膨らみがないように感じるのではないかと懸念します。

とりあえず流行の先生の講義に触れた!という印象が残った1時間でした。


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一橋フォーラム21
- 2013/07/09(Tue) -
一橋フォーラム21 『ギリシア人の歴史と国家としてのギリシアの歴史』(2013年7月9日受講)

前回は、急な接待が入ってしまって欠席となりました・・・。

さて今回は、ギリシアの近現代史ということで、
主に、ギリシアが独立した1830年以降についてを学びました。

まず、ギリシアの近現代史をやっている人が、
日本では本日の講師の村田奈々子先生しか居ないという事実にビックリ。
でも、確かに、ギリシアは世界史の中で過去形で語られる存在であり、
現代におけるプレゼンスは、直近の経済危機が起きるまではないに等しかったですからね。

そして、1830年に独立したという現在のギリシアを知ると、
ますます不思議な思いにとらわれます。

それまで、オスマン帝国の支配下において、東ローマ帝国の流れをひくものとして
アイデンティティを持っていたのが、西ヨーロッパにおける親ギリシア主義の隆盛により
ギリシア語を話す彼らにスポットが当たり、ギリシアという集団が再発見されるという過程。
なんとも受け身なんですよね~(笑)。

その後の、トルコとの住民交換や、キプロスの独立のゴタゴタ、
アテネ五輪におけるエジプト在住ギリシア人からの援助など、
本当に、国家として成り立ってるのかいな?と思えるような問題の数々。

日本人の感覚とはかけ離れた国家運営を、興味を覚えました。

過去2回財政破綻しているというギリシア、
案外、3回目をやっても大したことないと思ってるかも(苦笑)。


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