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『螢・納屋を焼く・その他の短編』
- 2009/09/27(Sun) -
村上春樹 『螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮文庫)、読了。

村上春樹の短編というものを、実は、今まで読んだことがありませんでした。
「蛍」「納屋を焼く」「踊る小人」「めくらやなぎと眠る女」ともに面白かったです。

特に、主人公の男が、出会った女の子との間に保っている距離感が
なんとも言い表しにくい、心地よさというか、安定感というか、
とにかく読み手を誘うような感覚を持っていて、
面白く読めました。

「三つのドイツ幻想」まで空想的なところへ行ってしまうと、
ちょっと私には苦手でした。


螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)
螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)
おすすめ平均
stars蛍しか読んでないですけど
stars私小説の終わりと、その後のワン・ディケイド。更に、それから。
starsやはり納屋を焼くが良い!
stars納屋を焼くがいい
starsこれもいいですよ

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『日出る国の工場』
- 2009/09/25(Fri) -
村上春樹、安西水丸 『日出る国の工場』(新潮文庫)、読了。

最近、長編やお勉強本が続いていたので、お気軽本をば。

春樹さんと水丸さんが工場めぐりをするエッセイ。

工場めぐりというテーマで
玉姫殿なんぞに取材に行ってしまう感性も凄いのですが、
それ以上に、人体模型工場やかつら工場の
顧客第一主義の精神にやられてしまいました。

やっぱり、日本人って凄い。

そして、小岩井農場に見た、生産性向上の極致も
やっぱり日本人って凄い。

中途半端なビジネス本読んでるより、
工場見学に行った方が、
コストとは何か、利益とは何か、お客様とは何かの
勉強になりそうです。

そういや私も、小学生のころ、
タオル工場とか、木材工場とかの見学に行ったなあ・・・・・。



日出る国の工場 (新潮文庫)
日出る国の工場 (新潮文庫)
おすすめ平均
stars村上春樹がなぜ、テレビの司会ができるのか
stars温かさ
stars古くない、なおかつ残すべき作品
starsCDはこれからも作り続けられるだろう
stars工場の工場性とはなにか?

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『1973年のピンボール』
- 2008/09/27(Sat) -
村上春樹 『1973年のピンボール』(講談社文庫)、通読。

うーん、よくわかりませんでした。

不思議な世界がいくつもいくつも展開されて。

どれか一つだったら、まだ頑張れたかもしれませんが、

これだけ出てくるとオーバーフローで

イメージが処理しきれませんでした。

もうちょっと、心に余裕がある時に

読めば良かったのかもしれません。



1973年のピンボール (講談社文庫)
1973年のピンボール (講談社文庫)村上 春樹

おすすめ平均
stars中身のある宝石箱
stars世界喪失の歌
stars空が晴れて澄み渡る秋の午後に読みたい
stars鼠の話しが印象的だった
starsミントガムのような作品

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『アンダーグラウンド』
- 2007/08/26(Sun) -
村上春樹 『アンダーグラウンド』(講談社文庫)、読了。

地下鉄サリン事件の被害者の方達へのインタビュー。

事件の異様さとそれに遭遇された方達の思いを改めて知ることができました。
しかし、阪神大震災は、毎年追悼の催しが大きく報じられますが、
地下鉄サリン事件は、その被害規模の大きさに相違して
すでに過去の事件として風化が進んでしまっているように思われます。

米国での同時多発テロをみると、今だに現在の出来事であるかのように語られ、
アメリカ国民の心中には、怒りや恐怖や、少なくとも関心が存在していると思います。

しかし、サリン事件は、我々日本人の中で今でも問題意識を持っている人は
ほとんど居ないのではないでしょうか。私もその一人です。
刑が確定したとはいえ教祖はまだ存在し、名前を変えたとはいえ教団もまだ存在し、
そして他方には後遺症をもって苦しむ方達が存在し、
日本という国の危機管理体制は当時からどれだけ進歩したのかよく分かりません。
あの事件は、今の日本にとって、一体何だったのでしょうか。

当時私は地方に住む高校生でした。
実家が飲食店を経営しているおかげで、
スポーツ紙も含めた新聞を数紙、週刊誌も男性向け女性向け数誌を
毎号読むことができました。
連日の報道を熱心に見ていたのですが、それはあくまで「他人事」として興味本位に、
悪く言えば面白がって見ていました。
「こんな大事件を起こす人が実際に居るんだ」という興味です。
報道も、こういう興味本位で楽しんでいる観客層に向かってのものが
ほとんどだったように思います。

結局、何が起きて、誰が苦しんだのか、実感の伴わない出来事として
自分の中で過去の出来事に整理されてしまったように思います。

では、自分がもしその場に居合わせたらどうなっていたか。
この作品を読んで、常に気にかかっていたのはこの点です。
そして、「たぶん自分はその光景に目を向けつつも会社に行こうとするんだろうな」と感じました。
自分自身が重症の被害者となるか、目の前で人が倒れるかしない限り、
他人事としてとらえて、「まずは会社にいかなくちゃ」となるだろうと。

このインタビューにあるように、自分自身に症状が出ていても
「とにかく会社に行かなくては」と、フラフラになりながらも会社に向かい、
症状を悪化させた方たちが何人もいらっしゃいました。
症状が、事件ではなく自分自身の体調と結びつけて考えた方もいらっしゃいますが、
地下鉄での異様な光景と結びつけていた方もいらっしゃいます。
それでも会社に向かうのです。
生物としての危険に対する本能よりも、仕事に対する責任感の方が
優先されているのです。

他人の苦しみが気にならず(意図的に無視しているのではなく無関心)、
自分の苦しみにも目をつぶってまでも会社に向かうという姿勢を、
私はきっと持っています。

朝のホームで床に転がっているスーツ姿の人が居れば
「朝帰りの酔っ払いだろう」と思いこみ、むしろ嫌悪感を持って避けます。
「駅員さんが何とかしてくれるだろう」と。
果たして、地下鉄サリン事件のように、そういう人たちに3人4人と遭遇した時に
いつもと違う違和感を感じ取って、自分は行動を起こすことができるだろうか。

「現場に居合わせた者同士で助け合ったおかげで
事件の大きさの割には死者が少なかった」という事実を知り、
「助け合うことは、人間として当然すべきことだ」と頭では理解できましたが、
では何か起こったときに自分が本当に行動できるのか、
自分自身への疑念の思いは今でも拭えません。


アンダーグラウンド (講談社文庫)
アンダーグラウンド (講談社文庫)村上 春樹

おすすめ平均
stars「職業倫理」という言葉が心に残った
stars「本の厚さ」に隠された村上春樹の「したたか」な狙い・・・
stars家庭の幸福がカルトの敵
stars情景が伝わってくる
stars直接は関係ないけど

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