『ぼっけえ、きょうてえ』
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- 2008/01/23(Wed) -
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岩井志麻子 『ぼっけえ、きょうてえ』(角川ホラー文庫)、読了。
あんまり怖い話は好まないのですが、方言モノと知り、挑戦してみました。 全編岡山弁による語りかけ。 語られている内容は非常に怖いのですが、語り口はとても優しくマイルド。 この心地よさが、方言作品の魅力です。 自分の出身地のせいもあるのでしょうけれど、 本作の岡山弁といい、有吉佐和子作品の紀州弁といい、 西の言葉の語り口が大好きです。 さて、内容ですが、いずれも霊・怨・念が底辺を伝わっていく おどろおどろしい作品が揃ってます。 「黒いもの」が登場する際の気配の振り撒き方が、どの作品も同じような表現だったので、 そこはもっとバリエーションが欲しいなと感じてしまったのですが、 反対に「来るぞ、来るぞ」というゾクゾク感がありました。 農村・漁村の世界は、牧歌的でもありながら、 閉鎖性からくる後ろ暗さみたいなものも感じさせるので、 ホラーの舞台として独特の恐ろしさを醸し出しますね。
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