『トラッシュ』
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- 2007/12/31(Mon) -
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山田詠美 『トラッシュ』(文春文庫)、読了。
半年ぶりとなってしまった山田詠美作品。 ぶあっついのに挑戦です。 毎日毎日、淋しく苦しいにも関わらず、その場を離れることができないココ。 もしも自分がそのような環境に置かれたとしても、 たぶん自分の感情を説明することはできないんだろうなと思います。 なのに、この人は、ココの思いを文字に乗せて、物語ってしまえるんです。 そして、私たちは、納得感を持って読めてしまう。 ココの前にランディが現れたとき、 ココも私も「この男の子とココにはギャップがあるな」と感じてしまうのに、 次第にココがランディを必要としていく様が、 違和感も突飛さもなく描かれていく。 凄い才能です。 そして、私は、詠美作品に出てくる少年たちが大好き。 ジェシーがココにぶつける疑問の鋭さと純粋さ。 そして、その疑問の行き先を逸らして誤魔化すのではなく、 答えられる範囲で応えようとするココの誠実さ。 素敵な関係です。 あと、この作品では、バッキーの存在がありがたい。 彼の優しさが、物語で一休みできるポイントになっていて、読み疲れしません。 バッキーみたいな友人が得られたらなぁ。
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