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『リターン』
- 2024/04/20(Sat) -
五十嵐貴久 『リターン』(幻冬舎文庫)、読了。

五十嵐作品の中で一番有名であろうと思われる『RIKA』の続編。

私の中で、「気持ち悪い作品だったから、続編読もうかどうしようか・・・・・」と迷いながら
ブックオフで100円で見つけたので買ってきました。

で、読み始めて、最初に感じたのが、「あれ?『RIKA』ってどんな話だったっけ?」ということ。
作品の冒頭から、『RIKA』の物語を存分に引きずる形で始まるのですが、
まったく自分の記憶が反応しない・・・・・。

ついに、50ページぐらいまで読んだところで諦めて、本ブログで過去記事を検索してみたら、「無い!」。
ブログを書き始める前に読んだんだっけ?と思い、買った本リストのタイトルを追ってみましたが、「無い!」。

なんと、『RIKA』、読んでなかったです・・・・・・・大丈夫か、自分の記憶(悲)。

ただ、『RIKA』事件の特異性を冒頭で語ってくれているので、前作を読んでなくても
支障なく物語には入っていけました。
まぁ、正直、本作の中であらすじ的に語られるリカ事件については、
「そんな展開が現実に起こせるの?」みたいな疑問も湧いてきたのですが、
「リカ事件の特異性」というオーラ一本で、あまり細かいこと気にしちゃダメだと言い聞かせて読んだら、
結構、気にせず読めました。

「リカは異常」という点を、とにかく最大限に意識して読めば、
その異常さが味付けとなって、ぐいぐい読ませてくれる作品です。

一方で、「異常とは言え現実世界にリカは居る」と冷静になって読んでしまうと、
やっぱり展開の強引なところは気になっちゃいます。
例えば、電車で麻酔を打って意識を混濁させた人間を、どうやってアパートに連れて帰ったの?
みたいな致命的な部分が気になっちゃいます。
ここを「リカだからできる!」で強引に読み進める胆力があれば、面白く読めると思います。

本作を読んでいて気になったのは、「実際のところ、刑事が手柄を立てるために単独行動を取るのって
どれぐらいの確率で起きることなんだろう?」ということです。

小説だけでなく、映画でもテレビでも、だいたいの刑事ものサスペンス作品では、
主人公の刑事が独断で勝手な行動をして、危険な目に遭いつつも、最後は犯人逮捕で大団円!
みたいな展開がオーソドックスだと思います。

しかし、私は勤め先の会社のセキュリティ部門(金融の不正防止の仕事)で一時期働いていたので
警視庁とかのサイバー犯罪の担当の人とか、詐欺事件の担当の人とか、
あと社内には警察OBの社員さんもいたりして、茶飲み話とか、酒の席の話とかで
過去の犯人逮捕の捕り物の話など聞かせてもらいました。
彼らと接していて感じるのは、警察という組織で、役割分担の中で各人が自分の役割を
最大限果たすためにどう動くかという発想で行動しており、とても単独行動が褒められるような
環境には思えませんでした。
仮に単独行動で犯人を逮捕できても、勝手な行動をしたことで組織内での自分の評判を落とす
のではないかなと思いました。

本作では、登場してくる男性刑事も女性刑事も単独行動ばっかりで、
正直、こんな刑事さんいるのかなぁ・・・・・と、そこが気になっちゃいました。
恋人関係にある刑事同士は、判断が私情で歪んでしまうことは仕方ないとはいえ、
せめて主人公は冷静に動こうや!と思っちゃいました。

でも、そんな物語は読んでても面白くないのかもしれませんが。
組織の理論でガッチガチの刑事ものも、一度読んでみたいものです(笑)。

あと、肝心の『RIKA』ですが、本作で概ね話の展開が分かってしまったのと、
さらに本作のラストシーンの描写のエグさを読んでしまったら、
たぶん私は『RIKA』のエグさに耐えられなさそうなので、
あえて読むのは止めておこうかと思いました。
精神衛生上、読むと良くなさそう。






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