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『仮面病棟』
- 2024/04/17(Wed) -
知念実希人 『仮面病棟』(実業之日本社文庫)、読了。

著者のことを知ったは、実は、作家としての評判ではなく、
コロナ禍において、"X"上で基本的に政府方針に沿って各個人で対策するよう推奨しており、
反マスクや反ワクチンの人たちから攻撃されている様子を目にしてでした。
最初は、SNSで情報発信をする正義感の強い医師の一人なのかなと思ってましたが、
新作発売の告知をしているのを見て、「へー、ミステリ作家さんなんだ」と気づきました。

コロナ対策について発信されている内容は至ってまともなものであり、
陰謀論的な人たちから攻撃されている様子を見て、医師としての責任感が強い人なんだろうけど
わざわざ陰謀論者と正面から対決する性格からすると、著作ってどんな感じなんだろ?と
正直、少し引き気味に見てました。

たまたま行ったブックオフで、その店のおススメ作品が並んでいる棚に本作があって、
手にとってあらすじを見てみたら、病院への強盗犯籠城ものということで、
アクション要素もあって面白そうかな・・・・と試しに買ってみました。

昔は精神病院だったという建物を、療養型病院に転換した古めかしい病院が舞台。
近くのコンビニに強盗に入った男が、女の客を人質にとって、
逃げる途中で近くの病院に立てこもる。そこに居合わせたのは、週に1回だけ当直のアルバイトを
している主人公の外科医。同じく当直の看護師2人が巻き込まれ、
さらには、いつもは夜間は居ない病院長が残業で居合わせて・・・・・。

とにかく展開が早いので、ぐいぐい読ませてくれます。
ところどころに、「なんでこんな行動するの?」「なんでこんな指示するの?」と疑問に思うことが
いくつか出てきますが、最終的には、その理由は分かるようになっているので、
話としては上手くまとめてあると感じました。

一方で、実際に、その指示に直面した当事者は、変だとは思わないものなのかなぁと、そこは疑問。
まぁ、危機的状況に直面したら、「なんか変だ」なんて呑気に考え込んでいる暇はないでしょうから、
言われたことを素直に受け入れるのが普通の態度なんでしょうね。

この病院で起きていたことの真相は、現代的な問題を扱っていて、興味深かったです。
こんなアブナイサービスに次々と利用者が現れるのか?という点はやや疑問でしたが、
利用者さえ見つかれば、上手いサービスだなと思いました。
現代の病院ビジネスですよね。少数のスタッフで、多くの入院患者、しかも文句を言うこともなさそうな
意思のない患者を病床に寝かしておくというのは、大きな儲けはないけど安定した儲けが
出るんでしょうね。

籠城事件の展開については、主人公の先生、人質の身でありながら、あまりにアグレッシブだろ・・・・
と思ってしまったのと、先生、惚れっぽすぎるだろう・・・・・そこまで魅力的な女性か?と
疑ってしまったところもありますが、やっぱり危機的状況という極限世界のせいかな。

トータルで見ると、一気読みできる作品で、面白かったです。
解説で、他の作品も詳しく紹介されていたので、気になるものから読んでみたいと思います。




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