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『愛を謳う』
- 2024/04/05(Fri) -
田辺聖子 『愛を謳う』(集英社文庫)、読了。

行方不明になっていたおせいさんの本、出てきました!(涙)

本作の前半で、長年連れ添ったカモカのおっちゃんとの出会いから別れまでが描かれています。
妻を亡くして独りになったカモカのおっちゃんが、おせいさんにアプローチして夫婦的関係に。
連れ子4人を育てながら、自身はせっせと小説書きに没頭し、
なんともエネルギー溢れる生活を送られてきたようです。

子供達も、おせいさんの社会的立場をわかっていたのか、
独特な生活様式を受け入れていたようで、これはカモカのおっちゃんの教育のたまものか、
それとも、おせいさんのオーラが納得させたものなのか。
このユニークな家族の姿の中で、家族それぞれが幸せに生きている感じがして、
うらやましいなとも思いました。

そして、別れのシーンについては、カモカのおっちゃんのお別れの会でのおせいさんの挨拶文が
全文掲載されていて、この夫婦愛も素晴らしいなと。

一方で、私は、この葬送の言葉を読みながら、「あー、おせいさんも天国に召されちゃったんだよなー」と
むしろ、挨拶を読み上げているおせいさんの方の喪失感を覚えました。

この洒脱な文章が、もう新しくは生まれてこないのかと思うと、残念です。
ただ、多作な作家さんだったので、まだまだ読んでいない作品があることは幸いです。




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