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『逆説の日本史13 近世展開編』
- 2023/11/27(Mon) -
井沢元彦 『逆説の日本史13 近世展開編』(小学館文庫)、読了。

第13巻のサブタイトルは「江戸文化と鎖国の謎」。
徳川幕府の政治の話とは少し外れる地味な巻なのかなと思ったら、
対キリスト教の鎖国政策と、武断政治から文治政治への転換のための儒教推進という、
政治と信仰の話が興味深かったです。

特に、儒教については、なんとなく「親孝行の教え」みたいなイメージしか持っていなかったのが、
「易姓革命」の「徳を持つ王が天下を治める」という考え方とリンクすると、
徳川初期には自らの正統性を訴える根拠となり、幕末になるとそれが大政奉還の根拠になるという
「あー、歴史って繋がってるんだな」と思わずにはいられない展開が面白かったです。

しかも、たぶん、儒教の本場の中国では、新興勢力が王朝をひっくり返して天下を奪った場合、
新たな王が全く違う王朝を打ち立てるので、前後の王朝の正統性の連続性なんて
全く意識していない、要は、徳があるから天下を治めるんだ、前の奴は徳がないから滅んだんだ、
という一言で終わらせてしまうんだろうなと推測します。

それが日本では、120代以上も続いている天皇家の正統性を基軸にしているので、
幕府が変わると、前後の正統性とのつじつま合わせも必要になってくるという複雑さが
日本独特の政治機構を生んだんだろうなと思います。

それと、靖国問題を例に挙げて、日本人と中国人の死生観の違いについての解説が
非常に勉強になりました。
そりゃ、殺し合いをした相手でも最後は手厚く葬るべきと考える怨霊を恐れる日本人と、
敵は死んでいてもさらに剣を突き刺してトドメ以上に怨念をぶつける中国人とでは
死者への印象は全く違いますわな。

なんとなく、アジアの国で、儒教の教えの影響を受け、
仏教の影響も受けていた(中国は文化大革命の時に仏教思想は破壊されているかもしれませんが)
国同士ということで、勝手に同じような死生観を持っているのではないかと思い込んでましたが、
これでは全然違いますね。

もうこれは、価値観の違いなので、話し合って折り合いがつくような問題ではないんだなと
信仰心の点からも改めて認識できました。




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