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『インテリジェンス人間論』
- 2023/09/26(Tue) -
佐藤優 『インテリジェンス人間論』(新潮文庫)、読了。

著者の手による政界の人物評価となると、
やはりロシア人脈、プーチン大統領やエリツイン大統領を期待する人が多いかと思いますが、
私は日本の政局というか、日本社会を牽引している政治家の能力というものを知りたいので、
本作では、橋本龍太郎総理、小渕恵三総理、森喜朗総理といった面々が
ロシア外交においてどんな腹の括り方をしたのか、その決断の瞬間を
担当外務省職員の目を通して描かれていて、面白かったです。

「外交政策は選挙の票にならない」と言われているせいか、
政治家側も積極的に外交持論を発表しないし、メディアも結果のみの後追い報道で
「こういう外交を展開すべき」「日本の外交政策のためにこの政治家が期待できる」みたいな
報道は少ないですよね・・・・・。

でも、国益の実現のためには外交が最重要な手段だと思いますし、
政治家の大局観が必要で、真の実力を発揮できる分野は外交だと思います。
だから、安倍総理は、現役世代では安定した支持があったように思えますし、
なんとなく小泉総理に大衆人気があったのは日米の距離が近くて明るい雰囲気で
安定していたからなのかなとも思います。

そういう点では、著者のように、当時の総理の間近で、その政治家としての力量を見定めてきた
人物による政治家評は面白いです。

森総理とかは、メディアが植え付けた無能イメージで埋め尽くされてしまってる気がしますが、
もうちょっと実績とか、政治家としての信念とか、人間性みたいなことろは
個別の作品で読んでみたいなと思います。




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