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『ジゴクラク』
- 2023/09/24(Sun) -
森巣博 『ジゴクラク』(光文社)、読了。

著者本人を彷彿とさせる主人公と、10代後半の少女・舞ちゃんとの博打打ちの物語。

これまで、著者の私小説的な作品は読んだことがありますが、
作り物としての小説は本作が初めてです。

ギャンブルにおいて、いかにドツボに堕ちていくかという悪魔的な要素と、
舞ちゃんとの性的描写とに集中していて、これまで読んだ著作よりも
うーん、読んでいてしんどかったです。

これまでに読んだ本は、例えば、カジノという商売がどうやって金を稼ぐのかという構造的な
面の解説とか、カジノに通う人々は、社会的にどういう立場の人かというような、
博打と社会という関係性を解説している要素が強かったので、
全く博打に縁のない私にも、社会勉強として読んでみると得るものがありました。

しかし、本作は、博打の興奮とエロの興奮が大半を占めていて、
あんまり勉強になる部分がなくて残念。

金森との博打対決の駆け引きでは、人間の弱いところが端的に理解できて、
いざという局面で冷静になれることは大事だなぁと再認識。

博打も、確率論的な数学の観点で分析すると面白い分野だと思うんですけど、
やっぱり集まってくる人たちのギラギラとした金への執着を見ていると、
関わりたくないなぁ・・・・・と思ってしまいます。

本作に登場してくる、中国のおばちゃん4人組のような、
自分のペースで張り続けて、しっかり勝ちを取っていくような根性がないと、
博打の世界には足を踏み入れてはいけないように思いました。




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