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『大将』
- 2023/09/23(Sat) -
柴田錬三郎 『大将』(講談社)、読了。

近所の公民館の図書室の廃棄本をもらってきたもの。

タイトルから、戦争モノだと思い込んでずっと積読にしていたのですが、
昭和23年の広島から物語はスタート。シベリア抑留から戻ってきた主人公は、
偶然出会った男の家に行くと、そこに初めて訪ねてきた腹違いの妹が金の無心をするのを聞き、
即断即決で自身の故郷松山に連れて帰り、夫婦になるという急展開。

どんな話が展開していくのかと思いきや、父親の遺産を元手に
故郷松山で映画館経営を一気に3館で始めて、ガッポガッポ儲けたと思いきや
住友が見放した造船所の立て直しを行い、さらには道後温泉と対立して奥道後温泉を開くなど
活躍のフィールドに全く制限を設けない自由な行動力で
様々な事業を成功させていきます。

モデルは、坪内寿夫氏だということですが、恥ずかしながら全くお名前を存じ上げませんでした。
映画産業、造船産業ともに斜陽産業になってしまい、奥道後温泉もどうやら昭和のレジャー施設の
ような感じのようですので、今の時代に名前が上がらなくなっちゃうんでしょうねー。

とにかく腹の括り方が尋常ではないです。
「これを実現すべきだ!」「この言い分はおかしい!」と決めたら、
多少時間がかかっても譲らないという姿勢は、
頑固だと思う一面もありますが、しかし、やはり凄いと思います。

造船会社を立て直したのは、経営手法や販売方法を抜本的に改善しているので
ここまで徹底的にできれば、時流もあって成功できるだろうな・・・・とは思えましたが、
道後温泉と対立したとき、最終的に、奥道後の土地を買ってボーリングを行い
温泉を掘り当てようとする行為は、温泉が実際に湧き出たから良いものの、
実業家の正常な思考とは思えない行動力です。
まぁ、映画館や造船所で儲けた資金があるからこそ取れる手法かと思いますが。

地方の実業家というのは、中央の事業家とはまた違った野性味があるので
面白いですね。




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