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『戦略がすべて』
- 2023/08/09(Wed) -
瀧本哲史 『戦略がすべて』(新潮新書)、読了。

先日読んだ氏の著作に比べると、個人的には本作の方が面白かったです。
本作の方がエッセイのような感じで内容は軽めなのですが、
もともと著者の戦略論って、オーソドックスなものであるように思うので、
戦略論そのものを学ぶというよりは、それを軸にどう考えてどう動けばよいかという
自分の行動への落とし込みというか、自分自身と戦略論を繋げる行動に移しやすいのは
本作の方かなと感じました。

著者の説明は、解説のための例示がユニークなので、
「え、どういうことなの?」と興味を惹かれるんですよね。

例えば、資本主義の基本の「分業」と「熟練」という概念を
ドラクエなどのPRGのチーム編成の考え方を例に出して解説します。
こういう視点が、やっぱりプレゼン力などが重要な価値を持っている投資の世界で
生きてきた人の発想かなと思います。
ドラクエを例に出しての解説は、興味を引き出す反面、雑な理解や誤解を生む可能性も高く、
正確な説明を重要視する学者先生には取りにくい手法かと思います。
しかし、投資の世界の人は、「興味を持ってもらわなければ、いくら正確な説明をしても無意味」と
割り切っているように思いますし、さらに踏み込んで言うと、この例示で本質を理解できない奴は
相手にするつもりはない、と切り捨てているようなところもあるかと想像します。
面白いと思える奴、理解できる奴が、ついてきてくれたらそれでいい・・・・というような。

このあたりの割り切りは、サラリーマンでも企画系の部門に居る人には
共感できるものではないかなと思います。
無味乾燥な教科書のような説明を聞くより、圧倒的に興味深く、しかも立体的に理解できますから。

あと、社会の仕組みに関する説明において、裏側にチラチラと毒の要素が見え隠れするのが
読んでいて「ふふふ」と思えてしまうので、そこもポイント高いです。

競合優位性がないコンテンツにお金を払う人を見つけるためには、最初の段階で明らかに
「炎上」するようなコンテンツを提供し、それを批判するのではなくむしろ呼応するような読者だけを
効率的に探しだす必要がある


とか。Amazonを語る詐欺メールとかも、あえてちょっとおかしな日本語にしてあるのは
それでも違和感を覚えないようなうっかりさんをピンポイントで効率的に誘い出すためという
テクニックだと聞いたので、上記の話も納得。
こういう身も蓋もないことを言っちゃえるのは、ある種、著者の強みですよね。

というわけで、今後も著作を追いかけていきたいと思います。




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