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『紛争輸出国アメリカの大罪』
- 2023/07/21(Fri) -
藤井厳喜 『紛争輸出国アメリカの大罪』(祥伝社新書)、読了。

藤井厳喜氏を初めて認識したのは、『ニュース女子』を見始めたときに、
「トランプ大統領の誕生を予言した数少ない政治評論家」として紹介されたこと。
私は一般マスコミのヒラリー・クリントン優位という報道をそのまま信じてたので
へぇ~、あの選挙の展開を読み切ってた人がいたのかぁ、と驚き、
それからは藤井氏の見方は気にするようになりました。

ただ、バイデン氏が勝利した大統領選挙の後は、ドミニオンなどの陰謀論的な発言が
目につくようになり、それ以降は、ちょっと距離を置きながら眺めてる感じです(苦笑)。
あの選挙の全てが適切に運営されたとは言えないでしょうけれど、
日本でもどこでも、どの選挙にも不完全な部分はあると思うので。
選挙の結果がひっくり返るほどの不備はさすがにないと思いますし、
それ以上に不正でひっくり返すのは難しいのではないかと。

というわけで、結果的にこれまで著作を読むところまでは行ってなかったのですが、
まぁ読まず嫌いも良くないだろうということで、試しに一冊。

前半は直近の世界の動きについて、後半は太平洋戦争などの歴史について。
出版年の2015年においては、ISやシリアなどの中東方面の不安定な情勢や
南シナ海での中国の海洋進出などがホットな話題で、
やはりそういうリアルタイムな世界の動きを、背景も含めて解説してくれるのは
やはり、ありがたいと感じます。

新聞やテレビの通り一遍な情報にはない、大国米国の思惑だったり、失敗だったり
米国の競合相手の国がそのような動きをする、またはせざるを得なくなった経緯とか。
そういう背景情報を知ることができると、「なんであの国は突然こんなことをしたのか?」と
思ってしまった事件が、実は突然ではなく伏線があったんだと納得できます。

そして、ウクライナとロシアの関係についても1章を使って解説されていますが、
そもそもクリミアはロシアの一部だったのに、ウクライナ出身のフルシチョフが故郷のためにという判断で
ウクライナに編入させたという経緯を知り、「そんな個人的な感情で恣意的に割譲したら揉めるわな」と。
その後の経緯やウクライナ政府の判断のブレも含めた説明をし、著者も、ロシアのクリミア進出は
必ずしもロシアが一方的に野心をもってやっているのではないという指摘をしており、
それは、今のウクライナ戦争でも同じかなと思いました。

プーチン大統領の軍事行動の決断は非難されるべきものではありますが、
プーチン氏個人の感情で行われているのではなく、ロシアとウクライナの歴史の流れの中で
ある種の必然性をもって起きてしまった部分もあるのかなと。
ウクライナを支援する気持ちは私も持っていますが、「ウクライナが完全な善、ロシアが完全な悪」という
単純な図式に落とし込むのは理解を誤るので止めるべきだと思います。

後半の太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争などの開戦経緯や泥沼化の原因について
基本的にアメリカの判断ミスや失策が契機となったという説明で、
何でもかんでもアメリカのせいとなってしまうとちょっと眉唾な気がしますが、
まあでもアメリカ人自身は、世界各地の問題に当然のように口を出してくる人たちだから
現地への理解が薄いまま口をはさんでくると揉め事の原因になりそうだなというのも分かります。

特定の解説者の言い分を鵜吞みにするのは危険かと思いますが、
こういう今起こっている世界の動きに関して背景解説をしてくれる人の解説は
多様なものを集めて自分で解釈していくしかないですね。




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