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『嘘ばっか』
- 2023/06/05(Mon) -
佐野洋子 『噓ばっか』(講談社文庫)、読了。

ブックオフでドカ買いしてきたときに
タイトルから勝手に「エッセイかな」と思い込んでました。

改めて手に取ったら、タイトルの冠に「新釈・世界おとぎ話」とあり、
有名なおとぎ話を佐野洋子ブラックアレンジで新解釈した作品集でした。

良く言われている、「おとぎ話は子供向けに残酷シーンをカットしている」とか
「結末がソフトな感じに勝手に変更されている」というようなレベルではなく、
おとぎ話の話の枠組みだけを活かして、そこに人間の悪意とか感情の裏表とか、
そういうイヤーな部分とか、もしくは本人にはどうにもしようがない運の巡りあわせみたいな
諦めて受け入れるしかないような世の中の残酷さのような部分を取り込んで
積極的にダークな感じに仕上げてあります(苦笑)。

読んでいて、「そうそう、人間ってこんな一面もってるよねー、世の中そういうもんだと
割り切って生きていかないとやってられんよなー」みたいに
良い意味で振り切れる感覚を得られるので、ダークな割には読後感はスッキリしてました。




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