『6時に帰るチーム術』
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- 2023/05/30(Tue) -
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小室淑恵 『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)、読了。
図書館本。 著者については、一度、社外セミナーの講師としてお話を伺ったことがあります。 そして本も一冊読みました。 勤め先の社内セミナーにも人事部が呼んでましたが、そちらは仕事の都合で参加できず。 著者は、「起業の準備最中に妊娠発覚で開業時は出産直後で時短勤務だった」という経歴と 「ワーク・ライフ・バランス」という考え方の提唱、そして起業した社名もそこからつけていることから、 特に男性には、「女性の権利を主張する人」みたいなイメージで捉えられているところが あるんじゃないかなと懸念しています。 しかし、多くの働く女性が出産と育児をこなして職場復帰する時代ですし、 男性が育児休暇を取るのも普通になってきた時代。 「ワーク・ライフ・バランス」というのは、決して、労働者が権利を一方的に主張するための言葉ではなく、 優秀な社員に継続的に会社に貢献してもらうために必要不可欠な概念だと思います。 そして、私自身が小さいながらも経営者の立場になった今、 「ワーク・ライフ・バランス」というのは、要は、短時間で成果をあげる仕組みづくりであり、 会社にとっても、効率よく成果が上がるわ、残業代は削減できるわで、 メリットたっぷりの概念だと、身をもって実感しています。進めないと損です。 その具体的な導入事例を、まさに著者が自身の起業した会社を舞台に、 どういう方法で取り組んだのか、また社員からどんな反発があり、どんな風に納得させてきたのか、 わかりやすく紹介、解説されています。 ポイントは、著者が社外コンサルタントとして制度導入を推進した事例ではなく、 自身の会社に導入してきた当事者としての姿を見せることで、 なぜ、その施策の導入が必要だと思ったのか、どういう反応が社員から返ってきたのか、 その反発にはどう対応したのか、結果どうなったのか、それらが具体的に書かれていて 社外コンサルのキレイごとではなく、経営者自身の目線で実利的なメリットを解説しているので、 納得性が高いです。 Amazonのレビューは低めですが、この本はやっぱり、課長とか部長とかの管理職目線では 「そうは言っても実現するのは難しいよなぁ・・・・・」という感想で終わってしまいがちで、 経営者の立場になって初めて説得力が増すというか、実感がくっ付いてくる本だと思います。 だって、課長の立場なら、残業代を減らすことより、とりあえず目の前の仕事を処理することの方が 優先されちゃいますからねー。 残業代が増えても、「だって仕事が昨年より増えたし・・・・」という言い訳で通っちゃうところがありますし。 それに対して経営者は、社員の残業代が増えることは、会社の利益減少に直結するわけで、 社員を早く帰らせることのメリットは直接的に自分の業績に大きな影響を与えるわけで。 一方で、既存の企業が途中からこれらの施策を導入しようとしても 現場は混乱するだろうし、実績出すのはしんどいだろうなということも分かります。 やっぱり、起業の段階で、ゼロベースで社内の制度設計に最初から組み込んじゃわないと 社員の抵抗も大きいだろうし、そもそも惰性で動いている社内の風土みたいなところを 変えていくためのエネルギーは途方もない量が必要だと思います。 というわけで、新規事業の立ち上げ時とか、合弁会社を作って社風をリセットできるときとか、 そういう一定条件下でないと、実現は困難かなという気がします。 弊社は幸か不幸か、コロナ禍の際に、高齢従業員さんが感染防止のため外出したくないとして退社したので、 そのタイミングで社内体制の刷新を図りました。 事業特性上9時-5時の仕事ではないので、「6時に帰る」というわけではないですが、 少数精鋭で事業を回すスタイルに変えられたので、売上を伸ばしながら総人件費は減らし、 その分、個人単位での給与をアップできました。 「ワーク・ライフ・バランス」という概念とは違う形にはなってますが 経営効率化は成果を出すことができたかなと思います。 ![]()
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