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『物理学者のすごい思考法』
- 2023/05/26(Fri) -
橋本幸士 『物理学者のすごい思考法』(インターナショナル新書)、読了。

全然知らない著者でしたが、物理学者の生態を紹介したエッセイで面白かったです。

各編新書で4ページの短いエッセイですが、簡潔かつ洒脱な文章で綴られていて
物理学者って日々の生活でこんなことを考えているのか、
物理学者って世の中がこんな風に見えているのか、という新鮮さがありました。

頭の中は完全に物理学者なのですが、その物理学者の生態を読者に伝えるという
文学的な素養も同時に持ち合わせていて、才能豊かだなー、と感じました。

そして、優秀な人は、その専門分野だけでなく、他の分野ともシームレスに繋がっていく
柔軟さがありますね、それが同じ自然科学の分野だけでなく、
人文科学や社会科学の分野とも繋がって行けてしまうという才能。

さらに、ご家族がこれまた素敵。
お子さんと遊ぶ日常において、パズルをしたり、ブロックをしたりというパパの姿は
今なら多くの家庭に見られる様子かと思いますが、
そこにママも参加して、両親+子供みんなでパズルをやっている姿が、
良い家庭教育されてるな~、愛情注いでるな~、と素直に感じられました。

ある程度、得意不得意は遺伝すると思いますし、
両親は血の繋がりがないのに「この人と結婚するんだ!」と選んだからには趣味嗜好が近いという
点がやっぱりあると思いますから、子供の教育には、パパとママが共通して興味を持てることを
子どもに教えていくと、子供は素直にその能力を伸ばせる可能性が高いのかなと思います。

物理学者としてのものの見え方や考え方で染まったパパと、
そんなパパのユニークな着眼点について日常会話で絶妙な返しをするママ、
この会話を聞いてるお子さんは、やっぱり物理学者的な思考を身に付け、
なおかつママの洒落の利いたコミュニケーション技術も身に付けるんだろうなと。
著者の夫婦論とか子育て論についても、本にしてもらいたいなと感じるほどでした。

ところで、タイトルがお堅すぎるのは、ちょっとマイナスに作用してるんじゃないの?と思っちゃいました。
私自身、ビジネス書的な思考術の本かと思って買ってきてたので。
もうちょっと、エッセイであることがイメージできるタイトルの方が良かったんじゃないかなと思いました。




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