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『「反権力」は正義ですか』
- 2023/05/23(Tue) -
飯田浩司 『「反権力」は正義ですか』(新潮新書)、読了。

第二次安倍政権の中盤、選挙演説の際に聴衆からの「安倍やめろ」コールで演説が妨害される状況が続き、
「あんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言ってしまったことで、さらなる批判を受けた出来事。
当時、テレビや新聞の報道では、安倍首相の発言の方を切り取って問題視する意見が大勢でしたが、
「そもそも演説ができないほどにコールをする聴衆って、いったいどんな人たちなのよ?」と
疑問をもち、ネットで検索したら生田よしかつ氏による現地レポート動画をYoutubeで見つけ、
そこから文化人放送局、虎ノ門ニュースなどの動画を見る習慣が付き(文化人放送局からは離れました)、
そうすると、出演者が被っていた『The Voice そこまで言うか!』もレコメンドされてくるので
見るようになりました。

そこで初めて、「へぇ~、オールドメディア側でも保守寄りの意見を持つ番組もあるのか・・・・」とビックリし、
「ラジオは自由度高いのかな」とも思うようになりました。
『The Voice』から、その後、朝の情報番組『OK!Cozy up!』に移ってからもYoutubeで視聴してたのですが、
その後、高橋洋一チャンネルとか長谷川幸広チャンネルとかを見るようになり、
さらに、一時期の「百田・有本 vs 上念」バトルなどの阿呆なものを見せられて、
両陣営とも関わっている番組を遠ざけた期間があったので、
次第と視聴の優先順位が下がってしまい、最近はレコメンドに出てこなくなってました。

ブックオフで本作を見つけ、「あ、飯田さんだ、懐かし~、本なんて出してたのか」と買ってきました。

現在の主要マスメディアの、とにかく政権の打ち出す政策はなんでも叩くという姿勢と、
安保政策などについて空想じみた理想論を振りかざす等について、
著者自身が、現場で行った取材で得た知見をもとに、
要は、今のメディアの報道姿勢はおかしい!騙されずに自分自身の考えを持ってください!と
訴えるという異色の内容でした。

『OK!Cozy up!』の内容からすると、本作で書かれていることは違和感ないのですが、
それでも、毎日の放送で消費されてる音声情報と、物理的に記録が残る著作では、
やっぱり重さが違うように感じてしまいます。
よくここまで踏み込んで書いたなぁと感心しました。

公式発表の情報や、映像に取れた情報に対して
思い込みで判断を下したり、勝手にストーリーを組み立てたりするマスメディア。
それに対して、著者は、当時者や、関係者、現地住人に直接取材を行い、
様々な人が様々な立場で様々な評価をしていて、それは一面的なものではなく
とても複雑な感情が絡み合うものなのだという、ある意味当たり前のことを
改めて文章にしている感じです。

では、現地住民1人、2人の声を拾って記事内に入れるので十分なのかと言われると、
もうそれは、その記者がどれだけ現地の声を拾ってきて、
そこから代表的な声、もしくは象徴的な声をピックアップするかという、
その記者の編集権というか編集能力の部分の問題なので、
結局は、自分はどの記者を信用するのか、という、普段の記者活動の実績の積み重ねで
判断するしかないように思うんですよね。

そういう点で、この飯田浩司アナは、冷静な目で、実際の声を拾っているように感じることが多いので
今後も信頼できるかなと評価しています。
この本でもそれは確認できましたし、さらに、局アナにしては踏み込んだ主張も多々見られたことから、
その熱い思いとか、マスメディア内の住人として少しでも良い報道に業界全体が変わるべきだという
批判の思いも強く持っているんだろうなということが読み取れました。

また番組をYoutubeで聞くようにしようかな。
そしたら、今度は、どの番組のレコメンド順位が下がっちゃうのかしら(苦笑)。




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