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『もし僕がいま25歳なら、こんな50のやりたいことがある。』
- 2023/05/22(Mon) -
松浦弥太郎 『もし僕がいま25歳なら、こんな50のやりたいことがある。』(講談社+α文庫)、読了。

著者の本はこれで3つ目。
弥太郎さんというお名前、『暮しの手帖』編集長という雑誌のジャンルとポジション、
著作のタイトルの柔らかな感じ、そして文章のお上品さ、
それらから、70代ぐらいの男性を想像してました。

ところが、今回読むにあたって著者プロフィールを改めて見てみたら、
クックパッド㈱「くらしのきほん」編集長となっていて、えー、IT系に移ったの?とビックリ。
で、生年が1965年であることに気づき、50代じゃん!
いやー、全然イメージと違ってました。

で、本作を読んでみたら、経営者が若手社員に向けて送る言葉として
オーソドックスなものが並んでおり、納得感はあったものの
やっぱり50代の人の文章って感じじゃないんだよなー、と違和感はありました(苦笑)。

基本的な内容は、若手の間は、目の前の与えられた仕事をきちんと成し遂げて信頼を得よう、
自分の思い込みだけで不満を溜めてはいけないよ、という感じでしょうか。
これは、私自身、新入社員の時に考えてたことだったので、
とても素直に受け入れられました。

入社1年目なんて、会社のこと、業界のことなんて、何もわかってない立場。
「これは変じゃないの?」と感じても、よくよく仕組みを調べてみたら
自分のアイデアは部分最適でしかなく、全体のことを考えると状況を悪化させるものだったりして。

とにかく2年目ぐらいまでは、指示されたことをきちんと達成する、
慣れてきたら、頼まれた期限よりも早く仕上げられるように工夫する、
気になるところは「こう変えることはできないんですか?」という意見ではなく
「なんでこんな風にやってるんですか?」という質問の形で教えてもらうようにする。
こんなところを気にしながら仕事してました。

それで何か大きな成果を上げられるわけではないので、
自分の名前が社内で広まることはないですが、
とりあえず向き合って仕事をしている相手の人からは信頼してもらえることで、
いずれ、その人が出世したり、何か大きな仕事をやることになったときに
「そうだ、あいつに依頼しよう」と思い出してもらえたら嬉しいなと想像しながら
地道に仕事してました。

私自身は、願っていた通りに、出世した役員に引っ張ってもらったり、
会社再編のプロジェクトの末端に入れてもらったりと、
社内の優秀な人たちに引き上げてもらえたので、いろんな経験をさせてもらえました。

その後、独立して起業しましたが、結局、自分が小さいながらに社長という立場になっても
最初の数年は、近隣の先輩社長やパートで雇ったおばちゃんを人生の先輩として
いろいろ指導していただき、言われたことに応えられるように努力しました。
その後数年たって、それらの実績の一つ一つの積み重ねで、
ようやく自分も強く意見を言えるようになり、それを聞いてくれる人も出てきました。
やっぱり、まず信頼関係を自分側の努力で構築していくことが大事かなと思います。

そんな風に、自分のお勤めの歴史を振り返りながら、読み終わってから、
改めて著者の経歴を検索してみましたが、クックパッドはすぐに退任したようで、
どうらやクックパッドのお家騒動で正論ぶつけて退任という流れになったようですね。
やっぱり、『暮しの手帖』とクックパッドでは、社風というか社内に流れる空気感が違ってたんですかね。




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