『働く気持ちに火をつける』
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- 2023/03/17(Fri) -
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齋藤孝 『働く気持ちに火をつける』(文藝春秋)、読了。
今までに読んだ齋藤センセの本で、一番しっくり来たかも。 仕事に向き合う心得のようなものを解説しているのですが、 「ミッション、パッション、ハイテンション!」の3つのフレーズで表現しています。 これだけを聞くと軽そうなのですが(苦笑)、 その3つのフレーズが表す考え方というかモノゴトへの取り組み姿勢は 非常に納得できるものでした。 納得出来る、というか、たぶん、齋藤センセと私の行動原理がかなり似てるのかなと思いました。 まず、仕事をする意義について、生活するためのお金を稼げるということも大事ですが、 それ以上に、社会に必要とされているということを実感できるところに意味があるという指摘。 私も、例えば年に1日働いて1千万円稼ぐ人と、毎日働いて日給1万円を稼ぐ人では、 年収では大きな差がありますが、やりがいとか、充実感からすると、後者の方が 幸せな人生なのじゃないかなと思っています。 どんなに、その1日の働きの成果を認められようと、残り364日は社会から無視されている人生は よっぽど他人に興味のない人でないと、苦しいんじゃないかなと。 そして、3つのフレーズについて、 ミッション=仕事を常に自分に対する使命だと引き付けて考える技 パッション=ネガティブな体験や不愉快な感情をエネルギーの起爆剤に変える方法 ハイテンション=どんな時でも上機嫌で仕事に向かう力 このように解説しています。 3つとも、非常に納得できるものですが、1つ目、2つ目は、いろんな本で触れられている話かなと思います。 しかし、3つ目が、実は一番大事じゃないかなと思います。 サラリーマン時代、経営企画部に居た時は、大きなプロジェクトが動き始めると 毎日終電を逃すような状態に陥ることがあったのですが、 夜中25時とか26時に、ちょっと重苦しくなった空気の中で先輩が冗談を飛ばして、 若手も含めてみんなでバカ笑い出来る、そんな雰囲気だったので、前向きに乗り越えていけました。 まぁ、今だと、26時に会社に居るということだけでブラック認定されて批判されそうですが。 明るいこと、著者の言う上機嫌であることは、強さの象徴のように思います。 今は、ブラックな職場かどうかを、労働時間に直結させて評価するような感じになってしまっているので 私のようなワーカホリック的なタイプの人間には働きにくい社会になってしまっているのですが、 本当は、時間で単純に測るのではなく、個々の従業員にミッションを与えられているか、 困難にぶつかったときに乗り越えようという気持ちにさせられるビジョンを与えられているか、 従業員みんながそれぞれの立場で明るく元気に働けているか、 そういう点で評価すべきだと思うんですよねー。 でも、客観的な評価が難しいから、数値化できる「時間」で測らざるを得なくなっちゃうんでしょうけど。 結局、チーム内に不平不満の大きい人が居ると空気が澱んでしまうので、 優秀で前向きな人材が揃っている組織に自分が入っていけるように努力する、 選ばれる人材になるってことが、一番早道なのかなと思います。 他人の不平不満を取り除いてあげるのって、難しいですからね。 優しくノリの良い言葉で読者のモチベーションアップを図ろうとしている本ですが、 本質の部分では、労働者に対して、厳しい現実を突きつけているように感じました。 ![]()
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