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『菅政権 東大話法とやってる感政治』
- 2023/03/14(Tue) -
宇佐美典也 『菅政権 東大話法とやってる感政治』(星海社新書)、読了。

ブックオフで、「あ、宇佐美さん、本出してるんだー」と目に留まり、
タイトルを見て、「菅さんって法政大学出身だよなー、ブレインに東大の人で有名な人っていたっけ?」
と疑問を持ちつつ、宇佐美さんが菅さんをどう評価しているのか知りたくて買ってきました。

まず、そもそもの「東大話法」という言葉ですが、
3.11直後の枝野官房長官の原発事故に関する情報発信の内容について、
安冨歩氏が言い出した用語とのこと。
東大出身者が使う話法というよりは、当時の原発事故に関する情報統制の在り方を
象徴する用語として、発言者や専門家が東大出身者に偏っていたことから
「東大話法」と名付けたようです。
まぁ、世間の東大エリートへの反感を利用した用語だと思いますが、
本質を表すなら「東大話法」ではなく「官房長官話法」なのではないかと疑問符。

ただ、その話法については興味深く読みました。
確かに、安冨氏が指摘している話法、そして宇佐美氏が例に挙げている菅さんの口癖は
まさにその通りだと思います。

「菅官房長官 vs 望月記者」では、菅さんのバッサリ切って捨てて何も回答しない姿勢を
評価する保守系言論人やネトウヨの方々が目立ちましたが、
まぁ、でも、丁寧な政治の在り方ではないですよね。
望月記者がキワモノ系だったので、丁寧に答える価値ナシという風に見えてしまって
菅さんの姿勢が肯定的に捉えられた面がありますが、
もう少しまともな記者の質疑にも同じ話法で答えているとなると、
メディアと政治が無駄に対立するような火種になりかねないし、
それにより世論がまとまっていかない原因にもなりそうだなと思いました。

そして、本作では、「東大話法」よりも「やってる感政治」の指摘の方が興味深かったです。
安倍政権の直後に出てきたので、菅政権は、やっぱり国家観、ビジョンが感じられないという
物足りなさは発足当時から感じていました。
ただ、コロナ禍真っただ中で、とにかくコロナ対策と経済対策を何とかしないといけないという
世情においては、実務家肌の菅さんがトップに立っていたのは、短期的には良いことだったのでは
ないかなと思います。実際に短期登板でしたし。

そんなコロナ禍において、なんで印鑑廃止の話なんかが盛り上がってるんだよ!と
私はイライラしながら報道を見ていたところがありましたが、
「やってる感政治」というキーワードで、あえて菅政権がそういう方法論を採用したのだと理解でき
腑に落ちました。

小泉政権から菅政権までの、直近の日本の政治の流れを把握するには
良い本だったと思います。
ただ、タイトルから想起されるイメージと中身にズレがあるように思うので、
もうちょっと編集者の方は、読者がガッカリしないタイトルを付けてほしいなと思いました。

あと、安富氏の本は読んでみたいと思います。






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