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『参謀』
- 2023/03/09(Thu) -
森繁和 『参謀』(講談社文庫)、読了。

WBCが始まりましたねー。
こういう大きな大会が始まると、サッカーでもそうですけど、
以前からのコアなファンと急増したにわかファンと、それぞれの視点が露わになり、
面白く、ときにはイラっとしながら眺めています。

何か野球の本、それも野球理論がしっかりしていそうな人の本はないかなと
積読の中を探したら、野村克也氏の本に紛れて本作が出てきました。

著者の現役時代のことは知らないので、印象は、
「ドラゴンズのヤクザっぽい風貌のコーチ」「南米に謎のコネクションがある人」
というこれまた謎のイメージです(爆)。

あの落合監督の右腕として仕えたコーチだから、
そうとう理論派なんだろうとは思ってましたが、
やっぱり読んでいて面白く、納得できました。

自分のコーチ法が、今のご時世からするとやや古いという自覚を持ちつつ、
でも、なぜそう考えるのかをきちんと監督とコミュニケーションを取り、選手に伝え、
みんなが納得の上でコーチングしていく姿は、さすが優勝を何度もしたチームのコーチだと
腑に落ちました。

特に、監督との意思疎通の図り方、役割分担、選手との向き合い方、
このあたりは、野球という世界だけじゃなく、ビジネスマン全員が学べる姿勢かと。

そして、森コーチの立場から見た落合監督の采配について。
ときに「非情」と呼ばれた落合采配ですが、とくに山井投手の完全試合未達成事件について
投手コーチとしての考え方を軸に全てを明らかにしてくれて、
そういうことだったのかー、と納得。

あれだけの世論の非難を受けた後も、監督・コーチ双方が無言を貫き
批判をそのまま受け止めた我慢強さも凄いなと感じました。

こういう人たちに指揮されたら、世論やマスコミが「非情」と外野からヤイヤイ言ってきても
選手も納得してプレーできたんでしょうね。
実際に良くまとまったチームで、強かったですし。

やっぱり野球は、監督やコーチの目線で裏側を語ってもらうのが一番面白いですね。




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