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『これが私の優しさです』
- 2023/02/01(Wed) -
谷川俊太郎 『これが私の優しさです』(集英社文庫)、再読。

積読の山の中に紛れ込んでいて、初見のつもりで再読してしまいました(苦笑)。
全く問題なく新鮮な気持ちで詩の世界を味わえました(爆)。

やっぱり、素人にも優しい、共感しやすいというか理解しやすい詩で、
国語の教科書に採用されるのも納得。
国語の中で詩は苦手でしたが、かろうじて指がかかったのは谷川作品あたりでした。

で、もう一度、谷川作品に触れ、基本的には穏やかな気持ちになり、
時々ピリッと緊張感が流れる詩もあり、心地よく読めました。

ちょっと残念に感じたのは、詩の中に使われている言葉にアスタリスクが打たれており
巻末に用語説明が付いてますが、詩には注釈つけてほしく無いなぁ。
詩全体の解釈説明を付けてもらう分には「こういう読み方ができるよ」という考え方の一例として
受け止めることができるので構わないのですが、
個別の用語だけを説明するのは、なんだか「こう読め」と押し付けられているようで苦手。

そして、文学研究者の栗原敦氏による丁寧な解説がついているのですが、
谷川氏の立場に立って考えると、まだ生きているうち、しかも現役詩人として作品を発表している段階で
「父との関係から芽生えた詩的想像力」とか「経済的に恵まれた家庭環境に生まれた影響」とか
そういう個人の内面について分析されちゃうのって、どんな気分なんだろう?って思っちゃいました。
(批判ではなく、純粋な疑問です)

谷川俊太郎氏ぐらいの詩人になれば、当然、同時代的に様々な研究がなされることはあるでしょうけれど、
それが、その研究者の論文や文芸雑誌などで発表されるのとは違って、
本作では、本人の詩集に解説としてくっついているわけですからね。
それを思うと、解説の内容は本人公認なのかな。
それとも文庫だから出版社任せなのかな。

再読だったので、余計なところがいろいろ気になっちゃいました。




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