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『ケータイを持ったサル』
- 2023/01/22(Sun) -
正高信男 『ケータイを持ったサル』(中公新書)、読了。

さーて、次に何を読もうかな~、積読なんとかしないと・・・・・
と、積読の山を漁っていたら、なんと、宮崎哲弥氏がミソカスに批判してた本が出てきました。
買ったこと忘れてた(苦笑)。

宮崎氏の批判内容が頭に残っている今読まないと、もう、読む気にならなさそう・・・・・
ということで、急遽読むことに。

本業はサルについての学者さんで、京大の霊長類研究所の教授ということなので、
その界隈では有名な方なのかなと思いますが、
本作は、その本業のサルの話をちょいちょいネタに使いつつ、本題は若者論です。
タイトルにあるように、ケータイばっかり見てる若者のコミュニケーションレベルを、
サルと同等だと言っているような感じ。

うーん、ところどころ、専門のサルに関する研究結果や観察結果などデータが出てくるのですが、
本題の若者論になると、著者の「私はこう思う」「若者のこういうところが気に食わん」みたいな
感情的な結論にワープしちゃうので、「え?論理的な説明どこにあるの?」みたいな感じで
読んでいて置いてきぼりにされちゃいます。

そして、とっても気になるのは、著者が批判する若者って、若い「女性」に限定されているような印象です。
著者自身が日本人を被験者にいくつか行った実験や調査が掲載されているのですが、
基本的に女性を対象としているんですよね。
20代女性と40代女性の携帯登録者数を調べたり、女子高生たちに投資ゲームをさせたり。

著者はやたらとルーズソックスを持ち出して若者の象徴のようにしてますが、
オジサンがJKに目くじら立てて騒いでいるだけの本のように感じてしまいました。
女性蔑視とかミソジニー的とかまでは言いませんが、ちょっとJKに偏見があるんじゃないの?と
感じてしまいました。

あと、実験や調査の手法についても、母数が少ないこととか、そういう外形的な点も気になりました。
JKに投資ゲームをさせた件ですが、どうやって女子高生グループに実験の説明をしたのかが
書かれておらず、もし、被験者たちに、「ケータイ保有者とケータイ重用者にグループ分けました」みたいな
ことを言ってたら、頭の回る生徒たちは、「ケータイ漬けはバカのレッテル貼られるかも。要注意!」
という空気を読んだのではないかなとも思います。
結果、「相手を無条件に信頼して行動する」というキレイごとの選択を意識的に取った可能性も考えられます。

まぁ、宮崎氏の批判が先に頭に入っているので、
私の読み方もかなり偏見まみれかもしれませんが。
でも、たぶん、宮崎氏の新書を読まないまま本作を読んでも、たぶん、内容には共感できなかったと思います。

本業のサルの研究だけにとどめておけば良かったのに・・・・・・と思ってたら、
本投稿をするための裏どりに「宮崎哲弥 正高信男」で検索かけたら、
「論文捏造疑惑」なる言葉が飛び込んできました。
サルの論文でさえも問題起こしてたのか(苦笑)。




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