fc2ブログ
『続 なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』
- 2022/12/18(Sun) -
福田和也 『続 なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』(ハルキ文庫)、読了。

ブックオフで見つけて、「お、続編なんて出てたのか!」と買ってきたのですが、
なんだか思ったよりもマイルドな中身でした。

最初の本を読んだときは、「凄いことを大っぴらに言う人だなぁ」と驚いた記憶があったのですが、
「あれ?記憶が極端な方に補正されてる??」と疑い、読書感想の記録を本ブログで探したら
出てきませんでした。

ブログを始める前、20年ぐらい前に読んだのかなぁ?
一体何に驚いたか、全然記憶が残ってないわ(苦笑)。

本作は、ペルーの日本大使館人質事件の話から始まっていますが、
当時私は高校3年生。
事件当初は、「なんて衝撃的な事件なんだ!」と驚き、ニュース番組にかじりついてましたが、
事態が硬直してしまってからは、受験生ということもあり、気にしなくなっちゃいました。
ペルー軍による突入作戦が行われたときには大学に入学してしまっており、
一人暮らしの部屋で毎日ニュース番組を見るという習慣がなくなってしまっていたので、
新聞報道で事実として押さえただけで、特に感慨もなく。

改めて本作でその経過を読んでみて、「へ~、橋本龍太郎首相はそんな腰の引けた対応だったのね」と
ようやく日本政府のへっぴり腰具合を認識した次第です。

まぁ、でも、私の子供の頃の記憶では、「毅然とした首相」って、思い浮かぶ人が居ないんですよねー。
社会人になってから、小泉純一郎首相とか、安倍晋三首相とか、はっきりと日本国としての意見を言う
首相が出てきたイメージです。
だから、橋龍がグダグダでも違和感なし(爆)。

ただ、それは、首相が日本人の政治レベルを象徴していただけで、
当時の日本人全体の政治感度や国際感度が低かったんだと思います。
その後、全世界の紛争地域(「非戦闘地域」とされる場所だけど)に自衛隊が出て行ったり、
はたまた日本人がどこかで紛争に巻き込まれて自己責任論とかが国内で巻き起こったりして
ようやく世間一般の議論のレベルや意識のレベルが引き上がってきたのかなと思います。

だから、今、この20年以上前の文章を読むと、マイルドに感じちゃうのかなと。
当時は、著者のような一部の言論人だけが、一国の首相の姿勢に対して
厳しい言葉を投げかけて、それに読者が反応していたのかなと思いますが、
今やYoutubeなどで、かつては一般人とされたような立場の人たちも
自分の意見を強く主張できるようになってますからね。
みんながキツイ言葉で主張し合っている今から思うと、本作の著者の言葉は
批判の本質は厳しくても、表現はお上品に思えてしまうのかなと感じました。

果たしてそれが素直に社会の良い変化と言えるのかは微妙か気がしますが、
でも、いろんな人がいろんな主張を自分の言葉でできるようになったのは進歩だと思います。
たとえ罵詈雑言や誹謗中傷が混じっていたとしても、
そうではない真っ当で聞く価値のある意見が世の中にたくさん出てくるというのは、
最終的には社会の進歩に繋がると、私は希望を持っています。
罵詈雑言をゼロにするために言論空間を必要以上に制約するような方向には向かってほしくないです。
それよりは、意見を聞く側、参照する側が、アホな罵詈雑言は無視するという技術を身につけて
結果的に罵詈雑言を繰り出す輩の楽しみを奪ってしまうような知性ある社会になって欲しいというか、
そうしていきたいです。






にほんブログ村 本ブログへ


関連記事
この記事のURL |  福田和也 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『イチゴ学への招待』 | メイン | 『アドラー心理学入門』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/6888-48b2fe14
| メイン |