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『ささら さや』
- 2022/08/20(Sat) -
加納朋子 『ささら さや』(幻冬舎文庫)、読了。

生後2か月の子供を遺し、目の前で交通事故で亡くなった夫。
夫の両親から子供を引き渡せと強く迫られ、
そこから逃げるように埼玉県の佐々良に引っ越した主人公。

この気の弱くて人が好い主人公が、佐々良の町で数々のトラブルに巻き込まれますが、
そんな時に夫の霊が誰かに乗り移り、窮地を助けてくれるという物語。

こうやって要約してしまうと、二流のハートフルコメディのようですが、
正直、冷静になってみると突っ込みどころ満載なんですよ。
「馬鹿っサヤ」という夫の口癖は、発音しにくくないかい?という感じだし、
誘拐並みの強引さで子供を引き取ろうとするジジババはやりすぎじゃない?とか、
そもそも自分の大事な赤ちゃんを入院させた病院がどこか分からないとか母親失格じゃない?とか。

でも、なぜか読めてしまったのは、佐々良の町で主人公が知り合った
三婆+イケイケギャルママの4人組のせいですね(苦笑)。

ドタバタコメディなのですが、この4人キャラがいずれもしっかり立っていて、
実際に近くにいたら鬱陶しいと思うのですが、
こうやって小説になると、その言動に嫌味が感じられないのが
なんだか上手いなーと思ってしまいました。

そして、夫の霊のフェードアウトの仕方も、
変に演出に凝るのではなく、現実世界との折り合いをうまくつけている感じで
気持ちよく読めました。

主人公は、いつになったら働きに出るんだろう?という現実的な疑問はさておき、
さらっと読むには面白い作品でした。




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