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『街場の現代思想』
- 2022/04/24(Sun) -
内田樹 『街場の現代思想』(文春文庫)、読了。

第一章「文化資本主義の時代」が抜群に面白かったです。
「文化資本」「階級と階層の違い」という視点を、主にブルデューの構築した概念で
ガンガン整理していくのですが、切れ味が良い言説で興味深かったです。

以前、ブルデューの著作にはチャレンジしましたが、
難解すぎて付いていけず、誰か解説してくれる人を求めていたのですが、
内田センセは、やっぱりフランス現代思想の専門家なので適任ですね。
しかも、ちょっと毒を盛りながら解説できるので、読んでいて楽しい(笑)。

一方、第3章というか、分量的にはメイン企画的な「街場の常識」のパートは、
講義風の体裁をとって、誰かからの質問に著者が回答するという構成になっているため
なんだか表面的な話で終わってしまってように思えて、イマイチでした。
質問から、あんまり深まりがないまま終わってしまうと言いますか・・・・。

文量制限のせいかもしれませんが、質問に対して、ちょっと目先の違う別の切り口を立てて
別視点から解説をして話を締めてしまうスタイルが多く、
その目的は「もっと高次の視点から世の中を眺めよ」という意味だと思うのですが、
ちょっと論点ずらしで終えてしまっているような印象を受けました。
こちらは、もうちょっと丁寧に述べてほしかったなというところです。




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