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『つくもがみ貸します』
- 2022/04/14(Thu) -
畠中恵 『つくもがみ貸します』(角川文庫)、読了。

畠中恵さん、どうにも作品がしっくりこなくて、あんまり読んでいません。
「しゃばけ」シリーズとは別のもののけ作品を見つけたので
最後の挑戦のつもりで読んでみました。

・・・・・・・うーん。

損料屋兼古道具屋を営む姉弟が主人公。
この小さな店にある古道具のうちのいくつかは、
作られてから100年以上経った年季物で、そこには付喪神が宿っていて、
付喪神たちが会話をしだすと姉弟の耳にもその声が届いてしまいます。

自分たちの身の回りで起きた不思議な出来事の謎を解くために、
弟は、この付喪神の付いた古道具をあえて貸し出し、
付喪神たちに探偵役をやらせます。
この基本設定は面白いと思いました。

ただ、連作短編を繋ぐ大きなストーリーとして、
この姉にかつて恋焦がれていた男が行方不明になったという事件を絡め、
姉も弟も、この男にやたら執着しているので、そこに付いていけませんでした。
もう、忘れりゃぁいいのに‥‥・的な。

前半は、身の回りの謎や幽霊の話だったので、単発で楽しめたのですが、
中盤から、この行方不明の男の探索が話の中心となっていき、
正直、付喪神たちとの物語の相性があんまり良くないのではないかと感じました。

人間の男にスポットを当てるのではなく、
もっと付喪神に寄ればよいのに・・・・と。

さらに、関係者たちも、なんだか不自然な動きをするというか、
極端な性格の人が多くて、あんまり物語の世界に入っていけませんでした。

畠中作品は、これで終了かな。




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