『創価学会と平和主義』
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- 2022/01/13(Thu) -
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佐藤優 『創価学会と平和主義』(朝日新書)、読了。
佐藤優と創価学会という組み合わせ、 そして、どストレートなタイトルから、一体何が書いてるのかと買ってみました。 思いのほか、公明党の政治的主張や創価学会の宗教理念を高く評価しているようで、 へー、そういうスタンスなんだ・・・・・と、ちょっと読む前の予想と違ってたのですが、 少なくとも、自公連立政権の中で、一つのブレーキ役にはなっていると思うので そういう点での役割は重要なのかなと思います。 一方で、先日の10万円ばらまき政策に関しては、目的も効果も良くわからなかったので、 良くも悪くもブレーキ役が適任であり、自分たちで政策を主導するのは 利益誘導的な面が目に付いてしまい、ちょっと役者不足なのかなと思ってしまいました。 本作での著者の解説を通して、代々の会長である牧口常三郎氏、戸田城聖氏、池田大作氏の 個人としての平和への思いは、確かにそういう確たる信念があるからこそ 創価学会がこれだけの信者を集めてるんだろうなー、というのは何となくイメージできます。 しかし、末端の信者の人たちが、どれだけ平和主義の理念に重きを置いているのかは 自分の実感からすると、あんまりイメージがないです。 むしろ、経済的に恵まれていない階層の人を中心に公明党への支持があり、 政策への期待は、経済的な面や社会福祉の面が重要視されていて、 安全保障問題とかに強い意志を持っているのかな?という印象です。 安全保障政策の積極推進に予算や労力をかけるよりは、 経済政策などに予算を付けてくれ!という、政策の優先順位付けの結果、 安全保障政策が後回しになって、結果的にブレーキ役になっているというような そちらの方が構造としてイメージが湧きます。 まぁ、もちろん、信仰の対象者が「平和!」と言っていれば、 信者の方々は同じく「平和!」と言うのだというのは分かりますが、 どれだけの熱量と意思を持って「平和!」と言っているのか、気になります。 創価学会や公明党というものを著作で扱うのは、いろいろ気を遣うテーマだとは思いますが、 是非、代表者の思想だけでなく、末端信者の考え方や行動のあり様も 取り扱ってほしいなと思いました。 ![]()
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