fc2ブログ
『ヒトリシズカ』
- 2022/01/11(Tue) -
誉田哲也 『ヒトリシズカ』(双葉社文庫)、読了。

裏表紙のあらすじは、なんだか勿体ぶった書き方で、
各章のタイトルもおどろおどろしい感じだから、
あんまり内容がイメージできないまま買ってきたのですが
読んでみたらいろんな刑事が主人公の連作短編モノでした。

冒頭の第一話、あらすじにもあるように、「拳銃の弾が死体の中で一度止まってからまた動いた」
という謎が真相を呼び起こすという展開。
このあらすじの日本語表現、素直に読んだときに受ける印象と、
実際のコトの真相とを比べると、うまい具合にミスリーディングさせる日本語を使ってるなと思いました。
ただ、真相の方を知ってしまうと、あらすじの書きぶりからイメージする方向性と
物語のジャンルがかなり違う方角を向いているように思えてしまい、
あらすじに期待した読者は、第一話の真相では拍子抜けしちゃうかも。

正直、一話目の評価は低かったのですが、二話目を読み進んでいたら、
「え!?一話目とそこで繋がるんだ!」と大きな驚きがあり、
以降はすごくワクワクしながら読めました。

正直、冷静になって考えると、この連作として成立させているキーポイントについては
あまりにもリアリティがない展開のように感じるのですが、
第四話の「罪時雨」を読んで、そのキーポイントそのものが真正面から描かれるにつけ、
めちゃめちゃ怖いよ、この話、ある種のホラーだわ、と
あらすじのおどろおどろしさにも納得。
リアリティ云々よりも、一体この先どう展開していくのかということの方が気になってしまうほど。

最終話で、一応の決着が着くのですが、正直その展開は、
私の中では、広げ過ぎた大風呂敷を畳めなくなって、最後、くちゃくちゃってしちゃったような印象です。
言ってしまえば一つの王道な物語の閉じ方なんでしょうけれど、
この作品で使うには小さくまとめすぎな感じで、満足できませんでした。

そこまでの展開が面白かっただけに、残念。

あと、各章でいろんな警察官が主人公になりますが、
殺人事件を追いかける刑事だけでなく、駐在さんだったり、暴力団担当だったり、
生活安全課だったり、いろんな立場の人々の力が合わさって、
日々の暮らしの安全が守られているんだなと感じられ、そこはとても良かったです。




にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL |  誉田哲也 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『創価学会と平和主義』 | メイン | 『小説ヤマト運輸』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/6637-7e7cf214
| メイン |