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『もひとつ ま・く・ら』
- 2021/09/29(Wed) -
柳家小三治 『もひとつ ま・く・ら』(講談社文庫)、読了。

噺の「まくら」で有名な柳家小三治師匠。
実は、いまだにその高座を聞いたことがなく、本だけで楽しんでいる状態です。
あ、YouTubeでは何本か見たかな。

抜群に面白い「長谷川さん」とか、シリーズ第1弾に最上級のものを全部突っ込んじゃったので
正直、第2弾の本作は小粒さが否めず。

小粒がたくさん入って厚い本になっているので
ちょっと長いなとも感じてしまいました。

まくらだけでなく、高校の音楽の先生を前にした講演会の様子も収録されており、
本の企画の本質からどんどん離れてはいっているのですが、
小三治師匠なりの教育論、自分の子供にはどういう教育を施したかというのが分かって
それはそれで興味深かったです。
意外と熱い人だなと感じましたし、先生たちから質問を受けるだけ受けておいてほとんど答えないとか
きっと、教師という職業を先生自身がどう考えているのか「自分の頭でよく考えろ!」という
叱咤激励も込められていたのではないかと推察。

あと、「しょせん落語は落語」という考え方も好きです。
日本古来の文化芸術を守るとかいうような肩ひじ張った姿勢ではなく、
子供の頃に落語を聞いて面白いと思ったから落語家になった、
落語家になった以上は面白い噺を聞かせたいから毎高座を頑張る、
この単純な姿勢こそが大事なんだろなと思います。
すべての仕事に通じる本質的で重要な考え方だと思います。




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