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『逆説の日本史 4 中世鳴動編』
- 2021/08/23(Mon) -
井沢元彦 『逆説の日本史 4 中世鳴動編』(小学館文庫)、読了。

概ね平安時代についての巻です。

著者自身、「日本人は一般に平安時代史(それも政治史)にあまり興味がない」と書いていますが、
私も平安時代の「政治」って、全然印象がありません。
教科書的には藤原道長とか平清盛とかが挙がってきますが、
彼らがしていたのって、「集金活動」であり「婚姻活動」であり「散財活動」であり、「政治」ではないんですよねー。

で、本作を読んでわかったのは「平安時代に政治はなかった」ということ(爆)。

誰も日本という国の行く末を考えていなかったのに
それなりに平和な時代が一定期間継続できたのって、
中国大陸で唐が滅んだ後に中でゴタゴタしていて日本にとって差し迫った脅威じゃなかったという
外的要因の部分が大きいのかな。

当時、日本という国は軍隊を持っていなかった(軍備を手放した)という事実に、驚きましたが、
現代の日本における平和思想の様子を見ていると、
「あぁ、こういう考え方が日本人の根深いところにあるのかな」と思うようになりました。
著者は、「コトダマ思想」と呼んでいますが、まさにこれって「自衛隊(軍隊)を持つと戦争が起きる」という
議論そのもののように思います。

これが、平安時代から綿々と続く考え方なのであれば、
保守派の人がどんなに「軍備があるから戦争をしかけられず安全を確保できる」と主張しても、
もう、議論が嚙み合う気がしません。
思考回路の土壌が全く違い過ぎて。
で、結局、「解釈論」で政府はなんとか逃げようとしちゃうんでしょうねー。

摂政も関白も律令の中で規定された役職ではなく、令外の官であるという指摘も、
憲法を変えずに解釈論でなんとか自衛隊を大きく育ててきた今の日本人の考え方と一緒ですよね。

結局、現在の日本の国防とか共同防衛とかに関する考え方が
海外の人たちに理解されにくいのは、日本独自の「コトダマ思想」とか「怨霊思想」という
ユニークな考え方、宗教観に端を発していると整理しちゃえば、非常にすっきりしますね。
たぶん、日本人以外には、なんでこんな議論が議論として日本国内で成立しちゃうのか自体が
理解できないように思います。

そして、著者は、憲法9条改憲派であることを本作で明記されていますが、
TBS記者出身ということにも驚き。
TBSにも実は本音の部分ではこういう考え方の人がいるのか、それとも、だから退社したのか・・・・
どちらなんでしょうね。



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