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『二十四の瞳』
- 2021/07/28(Wed) -
壷井栄 『二十四の瞳』(新潮文庫)、読了。

超有名作品。
夏休みの読書感想文の課題図書にもよく挙がってましたが、
天邪鬼な私は、あんまりピュアな感じの作品は苦手意識があり避けてました。

40歳を過ぎてようやく手に取りました。

まず、「小豆島の田舎の学校に新米女性教師が赴任してきて12人の生徒と交流する話」と
勝手に自分の中で決めつけていたところがあり、2~3年ぐらいのスパンの話なんだろうなと
思い込んでました。

ところが、新米教師の赴任から始まり、戦争を挟んで、大人になったかつての教え子の
子供たちを再び教えることになるまでの、長い期間を描いていて、
新米先生と生徒たちのキラキラ話なのではなく、戦争が彼ら彼女らから何を奪ったのかを
ストレートに描いた骨のある作品でした。

小学生や中学生が読むのも大事かもしれませんが、
むしろ、自分の子供が小学生や中学生になる30代のときに親が読んだ方が
考えるべきポイントが多い作品なのではないかと思いました。

小説のうまさという点では、話の展開にスムーズさが感じられなかったり
構成が歪に思えたり、漢字とひらがなのバランスが読みにくいなと感じたり
読みにくさの方が印象に残りましたが、でも、戦争というものは
1人1人の人生にこんなにも大きな影響を及ぼすのだという事実を知ることができる作品だという
その1点においても素晴らしい作品だと思いました。




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