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『Long, Long ago』
- 2021/07/04(Sun) -
重松清 『Long, Long ago』(新潮文庫)、読了。

久々の重松作品。
人生における再会の奇跡を描いた6つの短編が収録されています。

「再会」がテーマとなると、当然、最初に出会った時と再会したときの時間に隔たりがあるわけで、
最初に出会ったときは子供時代の話になりがちです。

小学生の時、中学生の時、高校生の時、
それぞれの年齢で多感な時期であり、そんななかで、大人の事情で別れが訪れたり、
親戚一同から厄介者扱いされていたりで、子供心に気を遣う展開になるところが
あぁ、子供も子供なりに大変なんだよなぁ・・・・・と自分自身を振り返ってみたり。

子供なりに大人の事情や友達の家庭の事情を慮って
いろいろ気を遣いながら周囲に接している主人公の姿を見て、
「自分もそういうところがあったかも・・・・・顔色を見る嫌な子供だな」と(苦笑)。
そういう子供の姿を描いたら、やっぱり重松さん上手いなぁと。

そして、この子供時代を振り返るのが、30代なり40代なりになったときというのも、また肝です。
子供のころに描いていた「こんな仕事をしたい」「こんな風に活躍したい」という理想像と、
現実の姿は当然違ってきているわけで、子供のころの自分の思い出と再会した自分は
理想とズレているという事実を改めて思い至るというのは、結構、しんどい作業だなと。

私は短期的には悲観的でも長期的には楽観的なので、
子供のころに思っていた大人の自分の姿が違ってても、
「いろいろ経験した結果こうなったんだ」と前向きに捉えることが出来ます。
あんまり将来像にこだわりがなかったということかもしれません。
子供のころに強い思いがあった子は、ギャップを埋めるのが大変なのかもな・・・とも思ってみたり。

作中で登場する小学校の先生の言葉で、同僚の先生に向かって
「あなた自身の今の友達の中で、小学校の頃の友達って何人いますか?」。
ズバッと冷たい言葉で現実を見せるのも、重松作品だなあと思います。
実際、私が今、日常的に接する友だちの中で、小学校の同級生って、いないんですよねー。
幼稚園から中学校までエスカレーター式の学校だったので、普通の小学校よりは
友だち同士の付き合いは長く深いのに、実家に帰ったときに近所の道で遭遇するとか
同窓会に行くとかしないと、なかなか言葉を交わすこともなく。
FBでときどきコメントのやりとりはあっても、対面じゃないので、なんか違う感じ。

結局、友達関係、そして人間関係って、どんどん上書きされていくんだなと納得。




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