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『ケネディのいちばん長い一日』
- 2021/06/23(Wed) -
ドノバン・ロバート 『ケネディのいちばん長い一日』(毎日ワンズ)、読了。

ブックオフの50円ワゴンからドカ買いしてきた中の一冊。
特にケネディ大統領に強い興味があるわけではないのですが、
第二次世界大戦での従軍経験の話に特化してあるようだったので
そこに興味を持って買ってみました。

まずは、ここまで命の危険に晒された戦闘経験を持っていたとは知りませんでした。
ソロモン諸島周辺海域で日本の駆逐艦と衝突し、乗組員全員が海に投げ出され、
近くの小島に泳いでたどり着き、味方に見つけてもらえるように
毎日小島から海に泳いで航路上で船の通過を待つという過酷なサバイバル状態。
流れのある海を何kmも泳ぎ、さらに航路上で何時間も立ち泳ぎ、そして遭遇できなければ
また何kmも泳いで戻ってくるという・・・・・・到底私にはできないチャレンジです。

この経験は、当然、選挙で強いPRポイントになるでしょうね。
米大統領は従軍経験がなければならないとトランプ大統領の前までは暗黙のルールだったようですが、
英雄譚として仕立て上げるには、格好のトピックスですよね。
むしろ、そういうPRポイントがないのに大統領選挙に勝ってしまったトランプさんの方が凄いというか(爆)。

でも、英雄譚としての情緒的な側面だけでなく、危機管理能力とか組織の統率力とか
そういうリーダーシップが一定備わってないと、戦地から生きて帰還できないんだなということも
本作を読んでよく分かりました。
やっぱり、戦争から生きて帰ってくる人間というのは、運の面ももちろん大きいのでしょうけれど、
マネジメント能力があるかないかで、生存率は大きく変わりそうです。
だから、大統領に求められる資質として、端的に表れているんだろうなと思います。

というわけで、50円の割には結構興味深く読んだのですが、
サブタイトルの「ある日本軍人との死闘」は、日本向けタイトルで看板に偽りありのような印象です。
個別具体的な日本軍人との対峙というか交流というか、そういう太い関係があったのかと期待したのですが、
ただただ戦地で攻撃しあったというだけで、日本軍人側は、相手がケネディであるか否かなんて
全く認識していないでしょうから、これは期待外れでした。

あと、翻訳文がちょっと読みにくかったです。
たぶん、接続詞がほとんどないからだと思います。
原文の英語が、接続詞のあまりない文章だったのかと思いますが、
日本語は接続詞により文章のリズムが生まれてくるような面もあるので、
そこは翻訳者がうまく補ってほしかったなと思います。




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