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『ニホンミツバチが日本の農業を救う』
- 2021/06/20(Sun) -
久志富士男 『ニホンミツバチが日本の農業を救う』(高文研)、読了。

続けて養蜂の本。
あまり考えずに適当に借りてきたら、昨日の本と同じ著者でした。
やっぱり養蜂業って、ニッチな産業なんですね。

さて、本作の前半は、著者が養蜂とどのように出会って、
どのように拡大してきたかが書かれており、技術論よりも物語性の方が重視されていたので
読んでいて面白かったです。

そして、セイヨウミツバチが大きく勢力を減衰させているという事象の紹介を読んでいるときに、
「あ、そういえばハチの大量死について扱った本を読んだんだった」と思い出しました。
そのときも、原因がわからずという結論になっていて
ミツバチって、人間と関わりが深いようでいて、あんまり分かってないんだなぁと感じました。

後半は、九州でニホンミツバチを見かけなくなってきたという話から、
離島でニホンミツバチの養蜂を復活させようという活動を中心に描写されています。
島民個人の養蜂がしたいという熱い思い、地元自治体の町おこしに活用したいという思惑、
メロン農家などとの受粉作業における協業関係など、
いろんな観点でミツバチとの関わり方があるのだということが象徴的にわかりました。

養蜂業について、ただ個人でハチを買って蜜を取り、ハチミツとして販売するという
小さな商売の形を超えた、もっと大きな社会との関わり方の画を描ける人が出てきたら
日本の養蜂業ももっと産業として確立されていくのかなと思いました。


著者の下で、そのようなことを考える修業を積んだ若い人が出てくれば
面白いことになりそうだなと思いましたが、果たしてどうなっていくのでしょうかね。




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