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『安倍官邸と新聞』
- 2021/06/08(Tue) -
徳山喜雄 『安倍官邸と新聞』(集英社新書)、読了。

タイトルから、NHKの番組に圧をかけたと騒がれた安倍官邸が
新聞にも何か圧をかけていたというのかしら?と思って買ってみました。
が、そうではなく、主要紙6紙が、安倍政権の各種政策やその実施状況について
どのように報じたのかを比較検証した本でした。

この手の本では、まず著者の立場の確認が重要です(苦笑)。
ナント朝日新聞社の現役社員で、AERA等も担当してきたとのことで、
ゴリゴリの左の人かと警戒したのですが、意外ときちんと整理しているように感じました。

もちろん、左寄りの意見を持っているということは透けて見えるのですが、
右派陣営の新聞がどんな風に安倍政権を支援したのか、または批判したのか、
また左派陣営の新聞がどんな風にどの程度強く安倍政権を批判したのか、
結構、冷静に分析されているように思いました。

むしろ、毎日新聞や東京新聞の踏み込んだ批判を褒めて、
朝日新聞の時にグダグダした中途半端な批判の仕方を非難するようなところもあり、
自社の主張を絶対視するのではなく、左派的見解を正として
時には自社のスタンスをも批判するという姿勢は、ある意味読みやすかったです。

株価が下落した際に、アベノミクスがあたかも破綻したかのように報じた朝日新聞の記事について
「何を根拠にそのようなトーンの記事にしたのか」と疑問を呈していたりして、
自社に批判的な目もお持ちです。

また、右派陣営の新聞についての解説も、
無暗に批判的な言説を取るのではなく、結構、冷静に評価を下しているように感じました。

まあ、安倍政権下での参院選大勝利に際しての、
「衆参のねじれがなくなっても、民意と政権がねじれては元も子もない」との意見には、
選挙の結果が民意じゃないのか???と意味不明でしたが。
ここはいかにも朝日新聞的主張でした(苦笑)。

2014年出版の本でしたが、「ファクト(事実)」という表現が使われており、
ファクトチェックの重要性、フェイクニュースの氾濫というのは、
今に始まったことじゃないんだなと思いました。




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