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『花実のない森』
- 2021/05/29(Sat) -
松本清張 『花実のない森』(光文社)、読了。

サラリーマンの男が、ドライブ帰りに車に乗せたヒッチハイクの男女。
女は上品さの陰に妖艶な美しさがあり、一方の男は粗野な感じの中年男。
女の素性に俄然興味を持ったサラリーマンは、女が誰かを探り始め・・・・・。

第一印象は、「これ、ストーカーだよね」(苦笑)。
正直、車に乗せただけの女に、ここまで執着できるものなのかという心情が理解できませんでしたが
まぁ、ストーカーというのは、そういうものなのでしょう。

毎日の仕事を早く片付けて、女の周辺を探索しまくり。
探偵行為が楽しいのかなぁ・・・・。

この女が、旧華族なり上流階級の人たちと接点を持っていることが分かってきたら、
「一体どういう人物なんだろう?」という興味は、読者の私も感じるようになりましたが、
結局、最後まで主人公の執着心には共感できず。

どうしても、松本清張作品には社会性を求めてしまいがちなので、
こういう作品の評価は、私の中でマイナス点が大きくなってしまいます。

もう少し、旧華族社会側の事情というか、業界情報を描いてくれたら
もっと興味を持って読めたような気がします。




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