『オカマだけどOLやってます。完全版』
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- 2021/04/12(Mon) -
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能町みね子 『オカマだけどOLやってます。完全版』(文春文庫)、読了。
著者がメディアに出る切っ掛けとなった本ですよね。 Blogに書いていた文章の著作化だとは知りませんでした。 まだ男性の体のままで女性の格好をして、OLとして会社に勤めていた時代の話。 「OL」という言い方をしているので、「どうやって採用試験で性別を隠して通れたの?」と疑問でしたが、 アルバイトとして会社に勤めているようで、「それってOLなの?」とちょい疑問。 ま、でも、アルバイトだったとしても、いわゆる普通の会社で 性別を隠して勤務しているという実態は、勇気あるなあと思います。 どこでバレるか分からないですからね。 本作の中でも、「くしゃみでバレそう」「悲鳴でバレそう」というようなくだりがあり、 あぁ、そうやって素が出ちゃう状況というのは確かに危ないなと。 著者は「オカマ」「ゲイ」「ニューハーフ」「性同一性障害」という呼称について 自分なりの基準を設けて、自分のことを「オカマ」と表現していますが、 私の中の言語認識とはズレがありました。 「オカマ」って、心は男性だけど女性的な格好をすることを好む人かと思っていたので、 「性同一性障害」と「オカマ」は別物と考えていました。 でも、当事者が「オカマ」という呼び方を選んでるってことは、イコールになりうるのでしょうかね。 うーん、LGBTの世界は、まだ定義が落ち着いていないような気がして 素人が気楽に触れられないですね・・・・。 そして、著者は、いわゆる「性同一性障害」のグループの中で 一般的というか、代表的というか、そういうタイプなのかな。 それともユニークな存在なのかな。その辺も素人にはわかりません。 女性的な格好をすることは子供のころから親しんでいたけど、 自分は女の子が好きなんだと思っていて、「性同一性障害」と気づくまでに 結構時間がかかっているような印象です。 そういう人の方が一般的なのかな? なんとなく、子供のころから自分の性に違和感を持っているものなのかなと思っていたので。 大学生の頃も自らの意思で彼女を作ったりしていますが、 彼女に対して性的な欲望を抱けないという点から、自分の性の方向性について考え始めるという流れは、 あぁ、そういうプロセスで自分の性に気づいていく人もいるのかと驚きました。 人生いろいろですね。 著者は、「オカマ」として生きることを、友人や両親に伝えていますが、 意外とみんなすんなりと受け入れていて、そういう点では幸せな環境だったのかなとも思いました。 著者は東大ですし、高校も進学校のようなので、友人たちの考え方も進歩的なところがあったのかな、 内心は驚いていても大人の対応ができる人たちが揃ってたのかなとも思います。 私の周囲の友人や仕事仲間には、LGBTの人は居ないという認識なのですが、 隠している人もいるのかなぁ。 実際の人間関係の中でLGBTの人と向き合った経験(という認識)がないから あんまりリアルな感覚でLGBTのことを考えたことがなかったのですが、 本作で、とりあえず著者個人として、どんな感覚で日々を送っているのかを知ることができ 良い勉強になりました。 ![]()
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