本谷有希子 『生きているだけで、愛。』(新潮文庫)、読了。
ブックオフで発見。
「読みたい本リスト」の中にあったので買おうと手に取りましたが、
裏表紙に「芥川賞候補」と書いてあり、「う、私と相性の悪い芥川賞・・・・・」と若干躊躇。
ま、でも、読まず嫌いはいかんかと、買ってきました。
お話の主人公は、25歳、無職、同性相手の家にひきこもるメンヘラ女子。
鬱期に入って、部屋から出られなくなり、同性相手に無理難題を吹っ掛ける自分を
冷静に自虐も含めながら描いています。
鬱になると、こんな感覚に陥るのか、こんな風に世の中が見えてしまうのか、と
その世界の見え方については興味深く読みました。
でも、やっぱり、感情が不安定な人が繰り出す理屈は苦手。
頭の固い私にはその突飛な感情の揺れが理解できないので、
共感ができないんですよねー。
これは、作品がとか、文章がとか、そういう作家側の問題ではなく、
私の感性の問題だと思います。
なんで、こんな行動をしちゃうんだろう?
なんでこんなに突飛なんだろう?と頭で思ってしまうので、
メンヘラという状態というか、症状というか、そこに気持ちを寄り添えないんですよね。
・・・・・・冷たいわ、自分。
たぶん、自分がそうなってしまうことが恐怖で、
そういう人の物語を遠ざけようとしているのだと思います。
いつか素直に読めるようになるのかなぁ・・・・。
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