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『ひまわり事件』
- 2021/03/20(Sat) -
荻原浩 『ひまわり事件』(文春文庫)、読了。

分厚い本だったのですが、ユーモア小説のようだったので
サクサク読めるかなと思って手に取ったのですが、めちゃくちゃ時間がかかりました(苦笑)。

まず話が冗長。
一つ一つの場面の描写がくどいので、なかなか話が展開していかない印象があります。
半分の分量で書けたのではないかと疑ってしまいます。

幼稚園と老人ホームを経営する理事長は、
県会議員の選挙が迫ってきて、幼稚園児と高齢者の交流企画で世間へのPRを狙います。
この設定はめちゃめちゃ面白そうと思ったわけですよ。
権力者が弱者を食い物にする構造そのものですから、それにユーモアをまぶして
ドタバタ劇でカリカチュアライズして見せてくれるのかなと。

でも、社会批評のまなざしが、すごく中途半端に感じました。
後半で、老人ホームの入居者の一人の元・安保闘争の志士が立ち上がるのですが、
老人ホーム側の狡猾な経営手法に対する批判は効いていたのですが、
幼稚園の側が活かされていないような気がして、「老人と幼稚園児の交流」という
理事長の思い付き企画の部分以上に幼稚園が効果的な役割を担ったところは
ないように感じました。

幼稚園側での不正を教師や職員が糾弾するような流れになっていれば、
もっと奥行きのある話になったような気がします。
本作ではそれがなかったので、老人ホーム側の反乱騒動に絞って、もっと高齢者の最後の人生の在り方
というものにスポット絞って作品化した方が、考えさせる内容になっていたのではないかと思料。

荻原作品って、冗長になる傾向がありますよね。
もうちょっとすっきり削って作品化してくれたら読みやすいし
主題も伝わりやすくなるような気がするのですが。

とりあえず、読み終わるのに時間かかったー。




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