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『わたしは椿姫』
- 2021/01/24(Sun) -
平岩弓枝 『わたしは椿姫』(講談社文庫)、読了。

地元の図書館で廃棄処分されるという本の山をもらってきた中の一冊。
積読解消のため読んでみました。

著者のイメージがどうにも時代モノなので、
読んでみたら海外を舞台にした現代ものということで、ギャップに驚きました
・・・・・って、前回も同じような感想書いてるわ(苦笑)。

短編集ですが、最初の1話は、東南アジアの小国に赴任になった夫を追いかけ
新婚の妻が現地に赴いたものの、日本人奥様社会に絡めとられ・・・・・という
海外という広い舞台の中の小さなコミュニティの縛りのきつさを描いています。
いやぁ、この息苦しさ、世界に飛び出しながら奥様社会に閉じ込められるという矛盾、
興味深い話でした。
主人公の新妻が、日本でも外国人の家でメイドとして働いていたため、
英語力も英語圏での常識も身に着け、さらには考え方も大人な聡明さがあり
終盤のベテラン奥様をやっつける感は爽快でした。

昭和50年代に発刊された本ですが、
高度経済成長期ですから、こうやって海外に出ていく日本人が大勢誕生した時代なんでしょうね。
今よりも、登場人物たちに「海外駐在だ!」という熱意というか、肩ひじ張った感じを覚え
時代を感じます。

それ以外には、フランスの上流階級に食い込んだ元芸者の暮らしぶりを描いた
表題作の「わたしは椿姫」や、ドイツで日本料理店を繁盛させている女将が店の乗っ取りに遭う
「東は東 西は西」などが面白かったです。
女性が、自らの腕で事業を成し遂げ、暮らしを手に入れているというガッツが見事だなと。

私は子供のころから、あんまり海外というものに特別な興味を抱かなかったので、
留学を検討することもせず、仕事もドメスティックな会社を選んだのですが、
いつの間にか海外担当みたいになってしまっており、役員の海外出張にお供したり、
海外の企業さんとの折衝に当たらせてもらったり、それはそれで興味深い経験をさせてもらいました。
もっと大学の時に英語を勉強しておけばよかったな・・・・と、当然の後悔をしましたが、
でも、それ以上に、英語だろうと日本語だろうと、やっぱりビジネスマンとしての覚悟が
一番大事だなと途中から思うようになりました。
徹底的に情報を集められるか、タイムリーに判断できるか、みんなを説得できるか、
そういう部分で腹が括れていることが一番重要だなと。

本作に登場する女性経営者は、みんな、そこができていて、素敵だなと感じました。




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