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『東京日記1+2』
- 2020/11/23(Mon) -
川上弘美 『東京日記1+2』(集英社文庫)、読了。

雑誌に連載された日記をまとめたもの。

「日記」ということだったので、エッセイという理解で読み始めたのですが、
私的には、これは小説でした。

1か月で数日分の日記が掲載されていますが、
その1か月の中にストーリー性があり、何らかのテーマのもとで日記が構成されています。

4/5は本当の話ということですから、1/5は創作という意味かと思いますが、
私の中では、個々のネタ元は事実として存在していたとしても、
文章化する際に、相応の作家としての演出がかかっているなと感じました。
その演出が、とっても面白いんです。

1か月の中で、そのテーマが展開していくので、
「起承転結がどうなっていくのかしら?」という小説を読むときと同じワクワク感が
たった数ページの中で得られ、しかも、その数ページのワクワクが何度も繰り返し楽しめるというお得感。

カワカミさん、変な日常を送ってますねぇ・・・・というところもあるのですが、
私的に最後まで違和感を覚えたのが、お子様の存在。
カワカミさんと家族の存在が結びつかないんですよね~。
私の勝手なイメージですけど。

そのお子様がまた、変わってるんですよね。
「オクラごっこ」って何!?
そのうえ、本質を突くような一言を発したり、まったく侮れません。

さらには、意味不明な電話を寄こしてくるお知り合いも多く、
そしてカワカミさん自身も不思議行動を起こしていたり、
その不可思議さも、「小説だ」と思いたくなる一因かもしれません(苦笑)。

シリーズ化されているようなので、追いかけたいと思います。




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