恩田陸 『不連続の世界』(幻冬舎文庫)、読了。
恩田作品にしては普通の厚みの本だったので
手軽に読めそうかなと買ってみたのですが、『月の裏側』という作品の続編だそうで
主人公の塚崎多聞という人物を軸に、不思議な話が展開していきます。
この塚崎多聞という人物の紹介が、音楽プロデューサーとしか分からないので、
第一話はそもそも内容が理解できませんでした。
「こもりおとこ」と聞いて、「木守」って出てきます??
私は「子守おとこ」しか浮かばないと思います。
強いて言うなら「小森さん」。
私の語彙力の問題かもしれませんが。
「なんで『木守』???」とモヤモヤしているうえに、
田代という男の掴みどころのなさのせいで、全然物語が頭に入ってきませんでした(苦笑)。
うわー、こんな調子で最後まで行ったら、途中で脱落しちゃうな・・・・と懸念したのですが、
2話目の「悪魔を憐れむ歌」は、ホラーチックなのですが、あくまで現実世界に立脚している印象で
しっかり読めました。そして楽しめました。
その歌を聞いたら死んでしまう・・・・・
その歌はラジオで2度流された・・・・・
その歌がなぜラジオで流れたのかは詳細不明・・・・・
いやいや、ラジオで流れたのに死んだ人ほとんどいないじゃん!って思っちゃいましたが
まぁでも、蔵での対話における沈黙の行間は怖かったです。
その後、多聞が、全国津々浦々に行きながら、当地のホラーテイストの謎の真相に挑む・・・・
そういう風に要約してしまうと、明快な謎ときのように思えてしまいますが、
謎解きそのものよりも謎が醸し出す空気感を楽しむ作品かと思います。
そのアンニュイな感じが、私はあんまり好みじゃないです(苦笑)。
この作品がどうこうというよりも、そういうジャンルの作品が好みじゃないということです。
『月の裏側』を先に読んでいたら、もっと楽しめたのかなぁ・・・・。
恩田作品は、ときどきこうやって置いてきぼり感を覚えてしまうときがあります。
- 関連記事
-