『木曜組曲』
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- 2020/10/28(Wed) -
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恩田陸 『木曜組曲』(徳間文庫)、読了。
耽美小説の巨匠が亡くなって4年。 毎年、その命日にあたる週の木曜日に、巨匠の邸宅に集まる女たち。 フリーライター、推理小説家、純文学作家、編集者、出版経営者、 5人のうち4人は巨匠の肉親。1人は担当編集者。 亡くなった日に居合わせたのもこの5人。 追悼のために毎年集まるものの、今年はおかしなメッセージが届いたことで l巨匠の死の真相究明が始まる・・・・・。 洋館に女5人が集まって推理と詮索を繰り広げるという設定なので、 舞台を見ているような感覚でした。 それぞれに腹に抱えた思惑があり、コソコソと動いたりするために お互いが視線を飛ばし合うような緊張感があります。 一方で、ほぼ肉親の集まりということもあってか、 誰かの一言でふと緊張感が緩んでいつもの和やかな空気が戻ってくるときもあり、 その緊張と緩和が不思議な小説でした。 普通の推理ものだと、ずーっと犯人捜しの緊張感があるので、 このふと気が抜ける瞬間が違和感なく描かれているのが何だか新鮮でした。 正直、5人が5人とも、企みを抱えて変な行動をとるので、 リアリティという点では違和感ありありなのですが、 まぁ、耽美派+洋館+会話劇という組み合わせが私にはもうファンタジーなので、 リアリティのなさは、そこまで気になりませんでした。 コトの真相に辿り着きますが、分かってしまえば、そんなことか・・・・・という感じで、 まあ、でも、5人の物語における各立ち位置を思うと、 そういう落とし方が一番収まりが良いのかなという気もしました。 最後、それぞれがこの物語を作品化するというところで話が終わったので、 続編を意識してるのかな? ![]()
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