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『ショート・トリップ』
- 2020/10/23(Fri) -
森絵都 『ショート・トリップ』(集英社文庫)、読了。

48編のショートショート集ということで、
裏表紙には「ユーモアとサービス精神にあふれた」とあったので
期待して手に取ったのですが・・・・・・うーん、いまいち。

冒頭の「ならず者18号」。
「流浪の刑」に処せられた男は、変な歩き方で旅をし、見る者に笑われるという刑なのですが、
歩き方の「変さ加減」の内容が、子どもが作ったコント見たいな設定でした。

「いやー、このレベルの話が続くと辛いな」と思ったのですが
さすがに動作で笑いを取る話が続くわけではありませんでしたが、
しかし、オチきらない話が続き、切れ味がイマイチ。

どうしても、ショートショートというと、星新一や阿刀田高のレベルを想像してしまうので
文字数制限の中に上手く物語を収めきれていないような感覚になりました。

毎日中学生新聞に掲載された作品ということで、想定読者が中学生という点に、
どんな作品世界を提示するべきなのか、著者が迷いを持ってしまったのではないかな
ということも感じました。

物語が3ページあり、4ページ目に長崎訓子さんによるイラストが載っているのですが、
このイラストは素敵なカットばかりで、途中からは、イラストを楽しむために
イラストに添えられている文章を読むというような感じになってしまいました。

それはそれで、この本の良い楽しみ方かも。




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