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『情報 ブレーン:歴史にみる群像』
- 2020/10/22(Thu) -
戸部新十郎、南原幹雄、米原正義、津本陽、栗原隆一、井出孫六
                        『情報 ブレーン:歴史にみる群像』(旺文社)、読了。

積読本の消化を進めましょう。
こちらも近所のおっちゃんからもらった本。
シリーズものですが、第2巻だけ(苦笑)。
たぶん、南原幹雄氏が服部半蔵を描いているから、三重県関連ということで読んだのかな?

歴史上の有名人物(戦国武将など)の側近としてブレーン役を務めた人物にスポットを当て、
歴史物作家がその半生を描くという企画です。

取り上げられたのは、蜂須賀小六、島井宗室、柳生宗矩、村垣範正、中江雪江。
私が名前を知っていたのは蜂須賀小六ぐらい。
普段から歴史物に触れていないと、こういう名前を知る機会は少ないですよね。
大河ドラマとかも見ないし(苦笑)。

そんな中で、やっぱり興味を持てたのは服部半蔵。
上記の人々の中ではずば抜けて知名度が高いのではないかと思ってしまいますが、
それは地元民の思い込みかしら。

服部半蔵自身のエピソードは既に知っているものがほとんどでしたが、
面白かったのは、その息子の正就のエピソード。
戦場で戦う武将としての能力はそこそこあったようですが、
伊賀忍者を統率し、仕える徳川将軍の具体的な指示がなくとも先を読んで隠密を手配させ
情報収集をし、手を打っておくという上忍としての能力がなかったとのこと。

それを自覚しているならともかく、そもそも上忍とは何を求められて将軍が重用しているのか
という点が理解できていないので、指示待ち人間になっていることに何の疑問も持っていない様子。
これは、後継ぎ教育に失敗しましたわね・・・・という事例ですね。

環境の大きな変化に自分の才覚で柔軟に対応してその勢力を伸ばした人間にとって、
その才覚を他の人間に教えるという行為は、難しいのかもしれませんね。
理論的に考えるという行為があまりにも感覚的に自身の中に溶け込んでしまっているために
言語化するのが難しいのかなと。

急成長企業の事業継承の問題点が、服部半蔵親子から見えてきて興味深かったです。




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