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『オタクの息子に悩んでます』
- 2020/10/08(Thu) -
岡田斗司夫FREEex 『オタクの息子に悩んでます』(幻冬舎新書)、読了。

今年に入って、岡田斗司夫さんのYoutubeチャンネルをよく見るようになりました。
毎回、視点の独創性や、構造を見極める能力に感嘆してばかりです。
特に好きなのが「サイコパス人生相談」の企画。
サイコパスだと自認する岡田さんが、視聴者からの悩み相談にこたえるのですが、
そこはサイコパスらしく本質をついてバッサリと斬っていくのが心地よいです。
相談者に寄り添う温かい回答を好みそうな一般的な人生相談好きの人には不評な気がしますが(苦笑)。

朝日新聞に連載された人生相談コーナー「悩みのるつぼ」については、
Youtubeチャンネルでも何度も取り上げられているので、
「悩みの本質を見抜くにはどうしたらよいか」「そこに役に立つ回答を与えるにはどうしたらよいか」
という考え方自体は動画でも見てますし、実際に本作で紹介されている相談内容に対して
詳しい解説をしている動画を見たこともあります。
でも、本作では改めて新鮮な気づきがあり、最初から最後まで面白かったです。

私の著者への関心は、最初は、世の中の事象に対する構造や仕組みの分析が的確で
納得性が高いなぁ、どうやったらこんなに本質的な仕組みをシンプルに捉えることができるのだろうか
というところから始まりました。

で、どんどん動画を見ていくと、ホリエモンとの対談動画などもあり、
それを見ていくと、新たなスキームを作り上げてきちんと動かしていく能力のスバ抜け感が
すごいなぁと、さらに関心が広がりました。
以前、ホリエモンとの対談で「評価経済」という概念を知り
詳しくは岡田センセの本を読まないといけないなと思っていたのですが、
Youtubeチャンネルの動画を見て、具体的に、FREEexという組織を立ち上げ、
それを会員たちと一緒に動かしているという解説を聞いて、こりゃ凄い人だなと。
(さっきから「すごい」という言葉しか出てこず、自分の語彙のなさが残念です)

ホリエモン祭りで堀江さんとFREEexの仕組みについて話している動画で
すんなり腑に落ちたのですが、これはたぶん、堀江さんの理解の早さという能力にも
助けられたような気がします。

さてさて、本の感想からどんどん外れていってしまってますが、
著者に対する私の関心事は、目の前の社会状況(=悩みの内容)の本質部分を抜き出し、
シンプルに構造化し、その中で取り組むべき課題をピンポイントで抽出し、
課題解決につながる選択肢を用意し、その中でベストな1つを推す。
つまりは、構造化し、シンプル化し、課題を顕在化させ、解決プランを立てる、
このPDCAのテクニックです。

本作では、どういう視点の持ち方で悩みに向き合うのか、
どんなテクニックをどういう順番で駆使するのか、ということを
具体的な悩みに即して解説してくれていて、わかりやすいです。

さらには、著者自身が悩み相談をこなしていく中で、
自分自身が、この人生相談の仕事に対して設定していた目標に疑問を持ち、変更していく過程や、
相談者との距離感の取り方や向き合い方をいつも真摯に考えている様子が素直描かれていて、
こんなにも真正面から悩み相談に乗ってもらえたら、そりゃ実行する気になるわなぁと。

悩み相談の文面も、本人がしっかり推敲して出してきてるような本気さがうかがえますし、
相談者と回答者の共同制作物とみても良いように思います。
その点でも、ある種の評価経済の一端なのかなと感じました。






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