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『ひとり暮らし』
- 2020/09/24(Thu) -
谷川俊太郎 『ひとり暮らし』(新潮文庫)、読了。

著者の詩集はいくつか体験していますが、
エッセイはお初です。

詩の世界を通してしか知らない著者だったので、どんな視点で世の中を眺めているのかな?と
興味津々だったのですが、意外と冷めた目で見ているところがあって、面白かったです。
未来のことを想像しなければいけない結婚式よりも、過去だけを考えていればよい葬式の方が好きとか(笑)。

そして、ご自身の家族のことも書かれていますが、
学者だったけど何だかちょっと人間性に欠損している部分を感じさせるお父様と、
そのお父様に暴言を吐かれていたと酔ってこぼすお母様。
なかなかにヘビーな家族です。
それを冷淡に感じるぐらいに淡々と書き残す著者。

全編を通してユーモアは感じるのですが、
ところどころにドス黒いブラックユーモアがあったりして油断できないです。

オーソドックスなエッセイ以外にも、日記風のものがあったり、
日記に至らないメモ書きのようなものがあったり、
バラエティに富んでいて面白かったです。

読後感としては、この人物を知ろうとするには、
本人が書いたエッセイよりも、第三者が書いた伝記的なものの方が
本質に迫りやすいような気がしました。
誰か書いてくれないかなぁ。




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