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『「リベラル」がうさんくさいのには理由がある』
- 2020/09/18(Fri) -
橘玲 『「リベラル」がうさんくさいのには理由がある』(集英社文庫)、読了。

「週刊プレイボーイ」の連載シリーズです。

いわゆる日本の「リベラル」を自称する方々の筋が通っていない感じは常々気になっているので、
著者らしい毒で分析されているかと思い買ってみました。

そもそも、「リベラル」っていうカタカナ表現が、曖昧さを助長しているように思います。
なんとなく、リベラル=左派=左翼=野党みたいな構図を思い浮かべてしまいますが、
全部、概念の軸が違ってますよね。
たまたま日本ではイコールになるのか、それともグループが重なっているだけでずれているのか、
はたまた重なっていると思うのは誤解なのか、正直よくわかりません。

国会の論戦(というか難癖?)を聞いていると、リベラルを名乗るご本人たちも
本当は良く分かってないのではないかという気もしてしまいます。

で、本作で何かヒントがつかめるかな?と思ったのですが、
冒頭、エピソード0として、太平洋戦争末期の沖縄戦での集団自決に関して、
戦後の訴訟やそれを巡る新聞報道等をもとに検証していきます。
かなり事細かに詳述されているので、「え、橘玲ってこんなに細部にこだわる人だっけ?」と驚きましたが
異様な歴史の捏造のされ方自体に驚き、とても勉強になりました。

一方で、私の中では、結構、言い放ち系と思っていた著者がこんなに詳述していることに、
「リベラル」の人たちに対峙するのって、こんなにエネルギー要ることなんだ・・・・・と
改めて思想対立の大変さを実感することになりました。

しかし・・・・・次章のエピソード1以降は、いつもの橘言いっ放し節に戻ってしまった感があり、
エピソード0の深堀ぶりが凄かっただけに、反動で、「え、これだけ?」と思ってしまうところもあり、
リベラルの怪しさは分かりましたが、この本の分析内容をもって私自身がリベラルを批判できるだけの
知識や理論構成を持ちえたかというと、そこはあやふやです。

まぁ、そこから先は自分の頭で考えて構築していくしかないのかもしれません。




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