『世にも奇妙な君物語 』
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- 2020/07/26(Sun) -
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朝井リョウ 『世にも奇妙な君物語 』(講談社文庫)、読了。
いやー、お取引先の大トラブルに巻き込まれて、大変な騒ぎでした。 全然、読書もできず・・・・・というか睡眠がほとんど取れないような状況で。 なんとか落ち着いてきたので、精神安定剤として読書読書。 タイトル通りずばり、フジテレビの『世にも奇妙な物語』に出てきそうな 奇妙な味付けの作品が5つ入っています。 映像世界の方が奇妙さは演出しやすいのか、それとも読み手の想像力不足なのか、 テレビ作品ほどの意外性やオチの落差感はそこまでなかったように思いますが、 着想は面白かったです。 後半に行くほどリアルさから脱したドギツイ演出になっていて、 その方が『世にも奇妙な物語』らしさを感じました。 「13.5文字しか集中して読めな」は、急成長したニュースサイトの編集長の方針に従って 家庭をやや犠牲にしながらニュース記事の作成に取り組む女性編集員が主人公。 この編集長の極端な編集方針だったり、新興ニュースサイトに追い上げられてきて編集長が従来の方針を 大きく変更しようとする姿だったりは、IT企業の仕事観が良く出ていたように感じられそこはリアルでした。 一方で、このママさん編集員に強烈なパンチを食らわせる息子の存在が、職場のリアルさとは正反対に こんな極端な展開はさすがにないわーと思わせるギャップが、 『世にも奇妙な物語』らしい味付けになっていると感じました。 良いオチでした。 そして、最後の、「脇役バトルロワイヤル」は、これぞリアリティなしの空想設定で ぶっ飛んでいたので面白かったです。 清水義範氏の『国語入試問題必勝法』を思い出すような法則の数々に笑ってしまいました。 ![]()
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